(ブルームバーグ): 任天堂は10日、今期(2023年3月期)の連結営業利益が前期比16%減の5000億円になるとの見通しを発表した。ブルームバーグが集計したアナリスト19人の予想平均(6127億円)を下回った。

  発表資料によると、半導体の調達リスクや新型コロナウイルスによる生産や輸送に支障を来すリスクに懸念を示している。今期の家庭用ゲーム機「スイッチ」の販売目標は、本体が前期比8.9%減の2100万台、ソフトは11%減の2億1000万本とした。今期の想定為替レートは1ドル=115円と1ユーロ=125円。

  米モーニングスターの伊藤和典アナリストは、今期発売するソフトのラインアップが非常に強力なのに対し、販売目標は保守的だと指摘。「2億5000万本くらいへの上振れはみていいと思っている」と述べた。一方、本体は緩やかに需要が落ちるフェーズに入っている中、「順当な数字」だと評価した。

  古川俊太郎社長は会見で、「依然として半導体部品の供給については不透明な状況が継続」しており、「解消時期は現時点では見えていない」と述べた。また、中国・上海のロックダウン(都市封鎖)やロシア事業の業績に対する影響については軽微との認識を示した。今期中の新型機の発売についてはコメントを控えた。

1株を10株に分割

  一方、任天堂は投資単位水準の引き下げによる株式流動性の向上と投資家層の拡大を目的に、1株を10株に分割するとも発表。分割の基準日は9月30日とする。また、資本効率の向上を図るため、発行済み株式数の0.85%に当たる100万株、金額で563億6000万円を上限に自社株買いを行うことも明らかにした。11日午前の東京証券取引所の自己株式立会外買い付け取引で実施する。

  同時に公表した前期(22年3月期)の営業利益は前の期と比べ7.5%減の5928億円だった。半導体部品の供給不足の影響に加え、前の期に人気ソフト「あつまれどうぶつの森」による押し上げ効果があった反動もあり、スイッチ本体の販売が2割減少した。本体の実績販売台数は2306万台、ソフトは前の期比1.8%増の2億3507万本。

  売上高は前の期比3.6%減の1兆6953億円、純利益は0.6%減の4777億円。同社によると、売上高段階での円安による押し上げ効果は785億円だった。

  発売6年目に入ったスイッチは、2月に本体の累計販売台数が1億台を突破したと発表。派生モデルの販売や有料会員サービスの強化を通じ、長期的に成長が可能な基盤づくりを進めている。

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