(ブルームバーグ): 5日の米国債市場で長期債売りに拍車がかかり、利回りは数年ぶりの高水準を更新。指標の10年債利回りは3%を確実に上回る水準で推移した。利回り曲線はスティープ化し、インフレを巡る懸念が市場を動揺させた。

  10年債利回りは一時17ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇し3.10%を突破。30年債利回りも一時17bp上昇し3.20%を上回り、2018年12月以来の高水準を付けた。短期債利回りも小幅ながら上昇。連邦公開市場委員会(FOMC)の4日の政策決定後の低下基調が一部巻き戻された。

  金融政策に比較的敏感に反応する2年債などの利回り上昇が遅れていることも利回り曲線のスティープ化傾向を維持した。パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長が、今後のFOMCでの0.75ポイント利上げ検討の観測に水を差したことが背景にある。

  イーグル・アセット・マネジメントの債券担当ディレクター、ジェームズ・キャンプ氏は「極めて一般的な意味で0.75ポイント利上げを検討対象から外すことは、インフレ抑制に十分に積極的だとは見受けられない」と指摘し、市場は「10年債利回りを3.23%まで押し上げる公算が大きい」と予想した。この水準はFOMCが政策を引き締めていた18年後半に見られたピークに近い。

  また、債券トレーダーの念頭には6日公表の4月の米雇用統計や来週の消費者物価指数(CPI)の発表もある。10年国債と30年国債の入札も来週予定されており、新発債のクーポンが高くなるよう債券トレーダーが相場押し下げに動きがちな環境も整っている。

Treasuries Hammered Ahead of Jobs Report as Market Doubts Powell(抜粋)

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