(ブルームバーグ): 5日の米株式相場は大幅に反落。前日の連邦公開市場委員会(FOMC)後の相場急伸から一気に流れが変わった。リセッション(景気後退)が脅威となる中、高止まりするインフレとの闘いで当局が苦戦するとの懸念が広がった。

  S&P500種株価指数は構成銘柄の95%余りが下落。2年ぶり大幅上昇を記録した前日から一転、4月29日以来の大幅安となった。ナスダック100指数は5%余り下落。まれに見る急旋回で前日の上昇分を全て失った。

  S&P500種は前日比3.6%安の4146.87。ダウ工業株30種平均は1063.09ドル(3.1%)安の32997.97ドル。ナスダック総合指数は5%低下。

  米国債市場では長期債が売りを浴びた。ニューヨーク時間午後4時13分現在、10年債利回りが10ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の3.04%。

米長期債利回りが急伸、10年債利回り3%上回る−金融政策巡る懸念で

  スタグフレーションへの不安が強い中で、金融当局が物価急騰に歯止めをかけられるか懐疑的な見方が重しとなり、市場に動揺が広がった。

  ボケ・キャピタル・パートナーズを創業したキム・フォレスト最高投資責任者(CIO)は、「いくらか売りが出るのは想定内だったが、これほど大量に吐き出されるとは予想していなかった」とコメント。「キャピチュレーション(白旗降参)だったような雰囲気もある」と話した。

  外国為替市場では、ドルが主要10通貨の全てに対し上昇。株式と国債の急落で、資金の安全な避難先を求める動きが活発化した。ポンドは2020年6月以来の安値。インフレの重圧で英経済が来年マイナス成長に陥ると、イングランド銀行(英中央銀行)が予想したのを材料に売られた。

  主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は0.9%上昇。ニューヨーク時間午後4時13分現在、ドルは対円で0.8%高の1ドル=130円09銭。ユーロは対ドルで0.7%安の1ユーロ=1.0549ドル。ポンドはドルに対し2.1%安となった。

  ニューヨーク原油先物相場は続伸。ドル高と株安で景気後退懸念が高まり、下げる場面もあったが、ロシア産原油に対する欧州連合(EU)の制裁案などを背景に供給懸念が再び強まった。

  シティー・インデックスのシニア市場アナリスト、フィオナ・シンコッタ氏は「非常に多くの要素が絡み合う中、原油価格にボラティリティーが戻ってきたのは驚くことではない」と指摘。「とはいえ、EUのロシア産原油禁輸は最終決定待ちで、市場はこれをまだ完全に織り込んでいないため、原油相場の下げはこの先限定される可能性がある」と述べた。

  ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物6月限は、前日比45セント(0.4%)高の1バレル=108.26ドルで終了。ロンドンICEの北海ブレント7月限は76セント高の110.90ドルと、約3週間ぶりの高値で終えた。

  金スポットは朝方の上げを消した。インフレ懸念でドルと米国債利回りが上昇したのに伴い、金の売りが優勢になった。

  スポット価格はニューヨーク時間午後3時14分現在、前日比0.2%安。一時は1.5%上昇していた。ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物6月限は、0.4%高の1オンス=1875.70ドルで終了した。

Dollar Rises as Growth Fears Weigh On Stocks, Bonds: Inside G-10(抜粋)

Oil Ends at Near 3-Week High as Market Supply Worries Resume(抜粋)

Gold Erases Gains as Yields, Dollar Rally Over Inflation Concern(抜粋)

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