(ブルームバーグ): トレーディングデスクは米金融当局の引き締め局面をどう乗り切るかを知らない若い世代が多過ぎると、ウォール街では10年前から警告されてきた。しかし彼らは今、それを経験しつつある。

  この2日間の市場の動きはどう見ても乱高下だった。ダウ工業株30種平均は約900ドル上昇した翌日に約1000ドル下げた。さまざまな資産について多額の価値が1日単位で創出され、消失している。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)後の一貫した軌道とは打って変わった動きだ。

  かつては相場が下がるごとに買われたが、今は上がるごとに売られる。5日には株式と債券がそれぞれ2%余り値下がり。主要な上場投資信託(ETF)に基づくとこれは過去20年で4回目のことだ。資産クラスの枠を超えたこの規模の同時落ち込みは、大型ファンドが売りを余儀なくされているとの観測を招く。

  ウォール街屈指の強気派として知られるロイトホルト・グループの主任投資ストラテジスト、ジム・ポールセン氏は「私も他の人と同じように怖い」とし、「この業界に40年近くいるが、何度経験しても楽にはならない。確信は持てず、自分が過去に間違えたことも知っているからだ」と語った。

  市場の激しい値動きの背景にあるのは米金融当局が刺激策について1994年以来最も積極的になりそうな引き揚げにコミットしていることだ。かつて市場安定の頼みの綱だった当局が、40年ぶりの高インフレの抑制を表明している。

  パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長は経済のソフトランディング(軟着陸)達成への自信を繰り返し示しているが、リセッション(景気後退)のリスクは投資家が無視できない脅威だと、22Vリサーチの創業者デニス・デブシェール氏は指摘する。

  2022年は押し目買いの投資家にとってここ数十年で最も痛みの大きい年になる方向だ。1月以降にS&P500種株価指数下落の平均期間は2.3日で、1984年以降最長。一方、下落したセッション後のリターンはマイナス0.2%と、この35年で最悪だ。

  この10年の大半の期間で押し目買いの成功に慣れている投資家は、新たな経験におびえている。4月には株式ファンドの資金流出ペースがここ数年で最速水準に達した。 

米国債の人気が突然回復、株から資金シフト−リセッションへのヘッジ

  BNPパリバの米株式・デリバティブ(金融派生商品)戦略責任者、グレッグ・バウトル氏は4日の相場上昇について「ベアマーケットラリー(弱気相場の一時的な株高)の象徴的現象」だとの見方を示した。

‘Scared Like Everybody Else’: Stocks Go From Shaky to Unhinged(抜粋)

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