(ブルームバーグ): 中国は新型コロナウイルスの流行を抑えるため、首都北京での制限措置を徐々に強化し、上海でも厳しいロックダウン(都市封鎖)を継続している。中国のこうしたコロナ対策について、米国の感染症専門家は効果がないと批判した。

  上海で5日報告された新規感染者数は4651人。同市のロックダウンは1カ月余りに及んでいるが、域内新規感染者数が3日連続でゼロになるまで制限は緩和されないだろうと複数の当局者は語った。

  北京の新規感染者数は50人と、12日連続で2桁台となった。米アップルの「iPhone(アイフォーン)」主要製造拠点を擁する河南省鄭州市は感染拡大を食い止めるためロックダウンを実施。

  アイフォーンの受託生産を行う台湾のフォックスコン・テクノロジー・グループは、工場労働者は「クローズドループ」システム下で作業を行っており、現時点で業務への影響はないとしている。

  中国当局は経済や生活の質に及ぼす影響にもかかわらず、ゼロコロナ政策を堅持しているが、ロックダウンが長期的に成功する可能性は低いと米国立アレルギー感染症研究所(NIAID)のファウチ所長は指摘。政府はその時間を利用してリスクの高い高齢者層の接種率向上を図っておらず、当局が実施しているワクチン接種はそれほど効果的ではないと説明した。

  バイデン米大統領の首席医療顧問を務めるファウチ氏はドイツのトークショーで、ロックダウンは住民が将来の感染拡大を防ぐ準備をするために使われるべきで、ロックダウンだけで他に何もしない戦略は奏功しないと語った。

  中国共産党機関紙、人民日報の系列紙である環球時報の元編集長で現在は解説者を務める胡錫進氏も、繰り返し実施されるロックダウンによる中国経済と世界における同国の地位に対する影響について警鐘を鳴らした。

  胡氏は自身の公式「微信(ウィーチャット)」アカウントに5日掲載した論文で、北京はオミクロン変異株との闘いのヤマ場を迎えつつあり、ゼロコロナ戦略はコスト面で管理可能な場合にのみ追求する価値があると主張した。ただ、その後、論文は削除された。

中国・上海市、根強い市中感染でロックダウン解除に遅れ

 

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