(ブルームバーグ): 米金融当局が20年間で最も積極的な政策引き締めに動いていることを受け、新興国市場は「全部売り」による低迷に陥っている。金利上昇の際に好調に推移するはずの資産でさえ、その影響を免れていない。

  その格好の例がバリュー株だ。バリュー株は米国や欧州では買われており、テクノロジーなど急成長セクターのより割高な銘柄からのシフトが進んでいる。ただ、こうした成長株からバリュー株へのローテーションは、新興国市場では起きていない。同市場では両タイプの銘柄が共に値下がりしている。

  こうした対照的な状況は、新興国株が5年連続で米国株のパフォーマンスを下回る可能性を示唆している。新興国株は過去の利上げサイクル時には上昇していたものの、米金融当局は2016年のように緩和的な発言で引き締めの影響を緩和しようとしていないため、今回はそれがより困難となる可能性がある。流動性は世界中で枯渇しており、割安株でさえ投資意欲は乏しい。

  データトレック・リサーチの共同創業者、 ニック・コラス氏は「現在は基本的な新興国市場の投資哲学に戻っている。米金融当局が基本的に行動を完了するまでは、一般的に新興国資産をロング(買い持ち)にすべきではない、ということだ」と指摘した。

  バリュー株は引き締めサイクルの開始時に選好されることが多い。高い利益と配当利回りが、借り入れコスト上昇や株式バリュエーション再評価に伴う影響を和らげるのに寄与するためだ。しかし、今やこうした関連性も崩れている。MSCI新興国市場バリュー指数は過去3カ月で13%下落。成長株の指数の16%下落をわずかに上回っているにすぎない。

Vanishing Value Trade Puts Emerging Markets at Risk of Fed Shock(抜粋)

©2022 Bloomberg L.P.