(ブルームバーグ): 9日の米株式相場は3営業日続落。S&P500種株価指数は13カ月ぶり安値に下げた。米金融当局が経済をリセッション(景気後退)に陥らせることなく、インフレスパイラルを阻止できるのかについて懸念が強まり、広い範囲で売りが出た。

  S&P500種は前週末比3.2%安の3991.24。ダウ工業株30種平均は653.67ドル(2%)安の32245.70ドル。ナスダック総合指数は4.3%低下。

  ウクライナでの戦争や中国での新型コロナウイルス対策ロックダウンが続く中、サプライチェーンの問題がインフレへの著しい脅威となっており、米金融政策の限界を巡って警戒が強まっている。

  この日公表されたニューヨーク連銀の消費者調査では、3年先のインフレ期待が1カ月前よりも上昇したことが示され、長期インフレ期待の安定維持を目指す米金融当局にとって気がかりな兆候となった。

  米国債市場では利回り曲線がブルスティープ化。5年債と30年債の利回り差は3月以来の水準に拡大した。ニューヨーク時間午後4時29分現在、10年債利回りは9ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の3.04%。2年債利回りは13bp低下の2.60%。

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  11日に発表される米消費者物価指数(CPI)は前月比、前年同月比ともに前月からの伸び鈍化が予想されている。

  デービッド・コスティン氏らゴールドマン・サックス・グループのストラテジストは、米国株の見通しはあまり明るくないと顧客向けリポートで指摘。「インフレの軌道が明確になるまで、値動きが大きい展開は続く」とし、「金融状況の引き締まりや市場の流動性不足を踏まえれば、3月下旬と同様の規模の短期的な上げ相場が到来すると論じるのは難しい」と記した。

  外国為替市場ではドル指数が上昇。中国でのロックダウンの影響や世界的な金融政策引き締め見通し、ロシアのウクライナ侵攻長期化リスクなどを巡る懸念が強まった。資源国通貨は軟調。

  主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は0.4%上昇。ニューヨーク時間午後4時30分現在、ドルは対円で0.3%安の1ドル=130円25銭。ユーロは対ドルで0.1%高の1ユーロ=1.0559ドル。

  ニューヨーク原油先物相場は反落し、3月末以来の大幅安。株式相場の下落が響いた。欧州連合(EU)がロシア産石油の輸出制限案の一部を見送るとの見通しや、サウジアラビアによるアジア向け原油販売価格の引き下げなども意識された。

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  ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物6月限は、前営業日比6.68ドル(6.1%)安の1バレル=103.09ドルで終了。ロンドンICEの北海ブレント7月限は6.45ドル安の105.94ドルで終えた。

  ニューヨーク金相場は反落。ドルの上昇などが金への重しとなった。11日には米国で消費者物価指数(CPI)が発表されるほか、今週は中国やインド、メキシコ、ブラジルなどでもインフレ指標が公表される。

  スポット価格はニューヨーク時間午後2時13分現在、前営業日比1.5%安の1オンス=1856.55ドル。ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物6月限は、1.3%安の1858.60ドルで終了した。

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