(ブルームバーグ): 香港政府トップを決める行政長官選挙で当選した李家超(ジョン・リー)前政務官は8日、中国本土との統合を加速させるとともに、国家安全を強化する方針を示した。

  今回の行政長官選挙唯一の候補者で、中国政府の支持を受けた李氏は当選発表後、中国と香港に奉仕する機会を得たとし、自身の新たな職務には双方の市民に対する説明責任を伴うと表明。法の支配は「健全な統治の核心」だとして、今後も支持する考えを示した。

  警察出身の李前政務官(64)は記者団に対し、「国家の主権ならびに安全、発展利益を保護するとともに、内外の脅威から香港を守り、安定を確保することが引き続き最も重要だ」と主張した。

  李氏は、国家への反逆や反乱の扇動などを禁じる「国家安全条例」の制定を義務付けている香港基本法23条について、政策局や法律の専門家と協議後に「適時」推進すると説明。香港政府は2003年にも制定を目指したが、大規模な抗議デモを招いた後に棚上げを余儀なくされていた。

  李氏は選挙委員の有効投票数1424票のうち、1416票を獲得。反対は8票、無効が4票だった。中国は昨年、親中派に有利な形となる選挙委員会の見直しに踏み切り、民主派の候補者擁立は事実上不可能となっていた。李氏は7月1日に行政長官に就任する。

©2022 Bloomberg L.P.