(ブルームバーグ): 米国債の厳しい弱気相場が新たな段階に差し掛かりつつある。利回りが多くの償還年限で2018年に記録した高水準を突破する方向にあり、幾つかの大きな潜在的誘因がそうした動きを後押しすることになりそうだ。

  まず注目されるのは、11日発表の4月の米消費者物価指数(CPI)だ。3月のCPIは前年同月比の上昇率が8.5%と、1981年終盤以来のハイペースとなった。ただ4月は8.1%と勢いが若干鈍り、食料品とエネルギーを除くコア指数も6.5%から6%に鈍化が見込まれる。

  先週の米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.5ポイントの利上げと、保有資産縮小の6月開始を決定した連邦準備制度の当局者らは、今後大挙してインフレへのアプローチについて発言すると予想される。

  さらに米国債の四半期定例入札(5−7月)も3年債と10年債、30年債からスタートする。それがどれも利回りを上昇させる必然的誘因にならないとしても、米国債市場の流動性は悪化しており、大きな変動によりさらされやすい。

  イーグル・アセット・マネジメントの債券ディレクター、ジェームズ・キャンプ氏は相関性の高まりに言及し、「今は資本市場で10年に一度の局面だ。クロスアセットのボラティリティーは信じ難いほど大きく、隠れる場所はどこにもない」と指摘した。

  JPモルガン・チェースの最新週の米国債投資家調査によれば、リスク回避は過去にあまり例のない高水準となり、中立のポジショニングは20年3月以降で最も高くなった。

  2年債利回りの先週のピークは2.85%で18年に付けた高水準まであと26ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)に迫った。5年債利回りも18年のレベルを2bp下回る3.08%に達した。10年債利回りは3.13%と19bp上げ、10年債の実質利回りを反映する10年物インフレ連動国債(TIPS)利回りはマイナス圏だった前週から27bp上昇した。

  2年債や5年債の利回りが18年の水準を上回れば、08年の世界的金融危機以降見られなかったレベルに戻る。10年債利回りの18年のピーク(3.25%)は11年以降で最も高かった。一方、5年物TIPSの利回りは3日までの40営業日で150bp余り上げており、これは08年以降で最も速いペースだ。

  最近の米国債相場下落に伴い、2年債と10年債の利回り格差(スプレッド)は17bp余り拡大し、イールドカーブは3月初め以降で最もスティープ化した。

  短期債を連続して購入する代わりに長めの米国債を保有する投資家が求めるタームプレミアム(上乗せ金利)上昇について、パイパー・サンドラーのロベルト・ペルリ氏とベンソン・ダーラム氏は、連邦準備制度の政策対応とインフレ軌道の先行きを巡る強い不透明感を反映しているとの見方を示した。

 

Plenty of Catalysts to Help Push Treasury Rates Above 2018 Highs(抜粋)

(市場関係者の見方などを追加して更新します)

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