(ブルームバーグ): 人工妊娠中絶を憲法上の権利と認めた米最高裁の判決が覆されることは、民主党にとって最悪のシナリオだが、11月の中間選挙でバイデン大統領を支える与党民主党の苦戦が予想される中で、ホワイトハウス当局者は政治的なチャンスとして巻き返しに利用する構えだ。

  中絶の権利を認めた1973年の「ロー対ウェイド判決」が、連邦最高裁で覆される可能性が出てきた。バイデン大統領とハリス副大統領にとって、中絶の権利を支持する有権者に対し、投票こそが不満を表明する最良の手段だと説得するチャンスだとバイデン氏の顧問1人は話す。

中絶の権利、米中間選挙の重要争点に−最高裁が合法判決を覆すリスク

  内部の戦略であることを理由に顧問の1人が匿名を条件に語ったところでは、これこそが郊外在住の女性やマイノリティー、若い有権者の共感を呼ぶとホワイトハウスが考えるメッセージであり、これら有権者層の支持は、民主党が上下両院を引き続き掌握する鍵になる可能性がある。

  ハリス副大統領は先週の演説で、ロー対ウェイド判決を覆したい共和党による米国民の基本的権利や自由への「直接的な攻撃」を警戒するよう呼び掛けた。

  ロー対ウェイド判決に対する最高裁裁判官の意見書の草稿がリークされて以降、民主党支持基盤の有権者の怒りや熱気が高まっていると、バイデン氏の顧問は指摘した。これまでの世論調査では、インフレや移民、犯罪、新型コロナウイルスの感染拡大を巡るバイデン大統領と民主党への厳しい批判を受け、共和党支持者の投票意欲が増す状況が示されていた。

  8日公表のCBSニュースの世論調査結果によると、最高裁が中絶の権利を認める判断を維持すべきとの回答は64%に上った。

 

Biden Taps Democrats’ Abortion Fury as Midterm Wipeout Looms (1)(抜粋)

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