(ブルームバーグ): 3月末から11兆ドル(約1430兆円)を失った世界の株式市場は、差し当たり底を打ちつつあるかもしれない。テクノロジー株を中心としたバリュエーション低下が、押し目買い狙いの投資家を引き付けている。

  ストラテジストらはテクニカル指標や、企業の強力なバランスシート、高い配当利回りなどに注目する。また、ゴールドマン・サックス・グループのチーフグローバル株式ストラテジスト、ピーター・オッペンハイマー氏は、インフレと成長減速、中央銀行の政策引き締め、ウクライナでの戦争など多くの懸念材料が相場に織り込み済みだと指摘する。

  同氏は10日のブルームバーグテレビジョンとのインタビューで「株式は中長期の投資家にとって魅力的に見え始めている」と語った。下振れリスクは依然としてあるが「その全ては実は既に市場に織り込まれている」と分析した。

テクノロジー株は売り一服か−バリュエーション低下で安値拾いも

  欧州株の相対力指数(RSI、14日間ベース)は「売られ過ぎ」を示唆し、大手ハイテク株で構成されるナスダック100指数もその水準に接近。

  株価急落の一方で、利益拡大予想は改善し続けているため、株価水準は割安になりつつある。ストックス欧州600指数の予想株価収益率(PER)は12倍と、2005年以降の平均の13.2倍を下回り、S&P500種株価指数のバリュエーションも同様に低下している。

  オッペンハイマー氏は「大幅な調整が既に見られた」とし、「下落分の一部を取り戻すときが必然的にある」と話した。

  JPモルガン・チェースのストラテジスト、マルコ・コラノビッチ氏も9日に、リスク資産買い増しを勧めた。

  JPモルガン・アセット・マネジメントのグローバル・マーケット・ストラテジスト、ビンセント・ユビンス氏も、インフレやウクライナ戦争、中国のゼロコロナ政策、金融政策正常化という逆風を挙げながらも、「現時点で多くが相場に織り込まれている」とし、「近く底を打つ可能性がある」と主張した。

Goldman’s Oppenheimer Sees Value After $11 Trillion Stock Rout(抜粋)

©2022 Bloomberg L.P.