(ブルームバーグ): 米株式相場の5カ月にわたる大幅下落がウォール街にどれほどの圧力をかけているのかを知るには、アナリストの苦しい立場を考えればよい。彼らの圧倒的な強気な株価予想は猛スピードで引き下げられている。

  個別銘柄に注目するアナリストは決算発表時に「買い」や「ホールド」、「売り」の投資判断を示し、株価が上昇すると予測する場合がほとんどだが、ここにきてS&P500種株価指数構成企業の目標株価を新型コロナウイルス禍による2020年の相場急落時以降で最速のペースで下方修正している。ブルームバーグの集計データによると、同指数の予想水準は11週連続で低下。ここ10年では最長の下方修正局面となっている。

  10日の米株式市場ではテクノロジー株の反発を受けて予想水準の低下に歯止めがかかった。S&P500種は3営業日連続で下落した後、10日は0.3%上昇し4000を若干上回った。

  アナリストの習慣的に楽観的な意見はどれも相場見通しに特に意味のあるものではないが、それらの下方修正スピードは、強気派にとって状況がいかに急激に悪化しているかを鮮明にする。米企業の収益力は、サプライチェーンのボトルネックや物価高騰で脅かされている一方で、米金融当局の政策引き締め方針は株価のバリュエーションに上限を設けている。

  マーケットフィールド・アセット・マネジメントのマイケル・ショール最高経営責任者(CEO)は、「アナリストは遅れずについていくため多大なプレッシャーにさらされている」と指摘。「異なる種類の相場になって半年が経過した今、人々はこうした期待を一部抑え始めている」と分析した。

  S&P500種構成銘柄が平均で直近高値から24%下落した悲惨な状況を受け、楽観論を見直さざるを得なくなった人は多い。

ゴールドマンなどのS&P500種見通しに変化−先行き厳しいと認める

  一方で、相場底入れの兆候を探してセンチメントに注目する向きにとっては、アナリストによる下方修正の急増は、市場に戻っても安全な時期についての手掛かりになり得る集団心理を見極める新たなレンズとなる。

  ストラテガス・セキュリティーズのストラテジスト、ライアン・グラビンスキ氏は、下方修正の「データが相場急落時に増加しがちなのは当然のことだが、われわれはこうしたデータを警戒解除のシグナルとして注目する。増加が止まれば、それを前向きに受け止める」と語った。

  S&P500種構成企業の目標株価引き下げは、過去20営業日の平均で1日当たり80件と、2020年5月以来の高水準で、それが株式市場全般の見通しの急速な下方修正につながっている。目標株価の総計を基にすると、S&P500種の予想は2月下旬以来2%余り低下し5119.11と、昨年11月以来の低水準。

 

Wall Street Is Trying Desperately to Catch Up With Stock Rout(抜粋)

©2022 Bloomberg L.P.