(ブルームバーグ): 経営難で行き詰まった企業を対象とする「ディストレスト投資」の世界で、米衣料品販売のJクルーや寝具のサータ・シモンズ・べディング、サーフウエアのボードライダーズは債権者の評判が既に芳しくないが、このリストに米医療サービス会社エンビジョン・ヘルスケアと航空宇宙関連サプライヤーのインコラ(ウエスコ・エアクラフト・ホールディングス)を追加できる。債権者同士が争うようになる案件は増える一方だ。

  事情に詳しい複数の関係者によれば、プライベートエクイティー(PE、未公開株)投資会社KKR傘下のエンビジョンは多額の債務負担と新型コロナウイルス感染拡大による収入の打撃に苦しんできたが、先月下旬に第三者の投資家を中心とするグループから命綱となる10億ドル(約1300億円)の資金パッケージを確保した。その際に担保となる優良資産を新たなディールに移したため、既存のローン債権の価値が急落した。

  この投資家グループは、センターブリッジ・パートナーズやアンジェロ・ゴードン、HPSインベストメント・パートナーズ、パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)などで構成されるという。

  一方、既存のタームローン(53億ドル)の債権者はイートン・バンスやブラックストーン・グループ、SVPグローバルなど。関係者によれば、これらの債権者もエンビジョンの価値ある資産、外来業務部門を担保として要求する別の資金パッケージを提案していたが拒否された。

  新たなディール成立後にタームローン債権の価格は直ちに急落。ブルームバーグの集計データによれば、2月に付けた額面1ドル当たり82セントの高値に対し、直近は同53セント前後となった。

  関係者らが匿名で語ったところでは、訴訟の可能性に備え、当事者の一部は法律顧問と既に協議に入った。

  KKRやセンターブリッジ、アンジェロ・ゴードン、HPS、イートン・バンス、SVPグローバルは、契約に関するコメントを控えている。PIMCOとブラックストーンにもコメントを求めたが、これまでのところ返答はない。

 

 

 

Credit-Market Clashes Are Getting Uglier, Dirtier, More Common(抜粋)

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