(ブルームバーグ): 米国のヘッジファンドや投資会社は新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)から抜け出し、人気下降気味の資産を活用しようと動いている。ニューヨーク市マンハッタンのオフィススペースだ。

  ブラックストーンとシタデルは新たな拠点を探しており、ボストンのウェリントン・マネジメント(運用資産1兆3000億ドル=170兆円)は4月に同社初のニューヨーク拠点設置に向け基本契約を結んだ。ヘッジファンドのベリション・ファンド・マネジメントは最近、大幅なオフィス拡張のためパークアベニューに移転した。スカルプター・キャピタル・マネジメントも、ニューヨークで新しいオフィススペースを探している。

 

  ニューヨークの高層オフィスビルが高い空室率に苦しみ、従業員の多くがまだリモート勤務を続ける中で、スタッフ増員に対応し、対面でのコラボレーションを奨励するためオフィススペースの確保を目指しているのが資産運用会社だ。マンハッタンのオフィス供給は引き続き需要を上回るペースで伸びているものの、拠点を縮小・廃止した企業が手放したオフィススペースの一部を運用各社やテクノロジー企業が埋めつつある。

  ニューヨークのオフィス賃貸大手ブルックフィールド・プロパティーズのエグゼクティブバイスプレジデント、カリー・ヘインズ氏はこうした企業について、「パンデミック期に非常にうまくやってきた。市場の現状や空室状況を踏まえ、従業員に素晴らしい環境を提供し成長するための機会として利用している」と指摘した。

   対照的なのが、長年ニューヨーク市のオフィス市場で支配的シェアを握っていた大手銀行だ。サヴィルズ・リサーチのデータによれば、過去2年間でプライベートエクイティー(PE、未公開株)投資会社やヘッジファンド、資産運用会社は金融サービス・保険会社が契約した新規リース物件面積の35%を占めるようになった。これに対し大手銀行のシェアは20%と、5年前の3割程度から低下した。

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