(ブルームバーグ): ウォール街の金融機関や世界最大級の資産運用会社がドイツの不動産大手、アドラー・グループの危機に巻き込まれようとしている。

  シュローダーとパシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)、モルガン・スタンレー、ブラックロックはアドラー債の一部を保有。アドラーと同社に関係する不動産会社網で問題が広がる中、75億ユーロ(約1兆円)に上る関連債務の行方に注目が集まっている。

  ほとんど無名だったアドラーは高利回りを求める大手金融機関から資金を集め急成長を遂げたが、同社の社債価格は昨年夏に下落し始めた。低金利時代が終わろうとする今、アドラーは調達難に見舞われており、同社債45億ユーロ相当の保有者は大きな損失に見舞われている。

 

  ニューヨークの資産運用会社スリー・ブリッジ・キャピタルのポートフォリオマネジャー、アッシュ・ナデルシャヒ氏は「本質的に循環的なドイツの住宅セクターでアドラーは常にレバレッジ(借り入れ)に頼っていた」と述べ、「こうしたポートフォリオは全て時限爆弾を抱えている」と指摘した。

  ブルームバーグの集計データによれば、シュローダーはアドラー債を約3億8600万ドル(約500億円)相当と最も多く保有。一部のアドラー債は最近、額面1ユーロに対し一時0.54ユーロに値下がりした。

  データによると、今月時点でブラックロックの保有額は約1億3000万ドル相当、PIMCOは9000万ドル弱。モルガン・スタンレーはアドラー債を持つほか、アドラーの子会社がデフォルト(債務不履行)に陥った場合に支払いが請求されるクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)3億6500万ドル相当の一部を引き受けていると事情に詳しい関係者は説明。こうした資産のどの程度を自社で、どの程度を顧客のために保持しているのかは不明だ。

  アドラーとブラックロック、モルガン・スタンレー 、PIMCO、シュローダーの担当者はコメントを控えた。

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