(ブルームバーグ): S&P500種株価指数は12日、身の毛のよだつようなボラティリティーの高まりで直近高値からの下落率20%の水準に接近した。新聞各紙の見出しを飾るこうした相場下落は米経済には不吉な意味を持つ。

  S&P500種は12日に一時1.9%下落し、弱気相場入りまで30ポイントに迫り、その後終盤に持ち直した。同指数は2011年6月以来見られなかった6週連続安となるペース。米金融当局のインフレ抑制策がリセッション(景気後退)を招くとの見方が強まる中で、米株式市場の時価総額は18週間で10兆ドル(約1290兆円)近く吹き飛んだ。

  経済データや予測は国内総生産(GDP)などの指標で景気拡大を示しているものの、株式市場が弱気相場の要件となる下落を完了すると、リセッションに関して驚くほど先見の明のある指標になる。

  S&P500種は過去95年間に14回、弱気相場と定義される直近高値から20%の下落を完了した。その後1年以内に米経済が縮小しなかったのは14回中、1987年と66年の2回だけ。その逆もまたしかりで、同期間に起きた15回のリセッションのうち、弱気相場を伴わなかったのは3回だけだった。

  株式市場は経済ではないという話はよく聞くが、今のような時期にその精度はやや失われる。市場にこれほど激しい打撃を与えるにはセンチメントのかなり激しい変化が必要で、株式投資の損失は消費者心理に痛手となる。また、市場は通常、経済がマイナス成長になるかなり前に何かがおかしいと警告する。

  S&P500種は12日、前日比0.1%安で終了。1月3日の史上最高値を18%下回る水準。今週これまでの下落率は4.7%。

  CFRAのチーフ投資ストラテジスト、サム・ストーバル氏によると、第2次世界大戦以降の弱気相場の多くで4つの共通点があった。米金融当局による利上げサイクルと長短金利逆転、地政学的緊張、1年以内のリセッション入りの4つだという。

  ストーバル氏は電話インタビューで「今年の未解決の問題は、リセッションに結局は陥るのかということだ」と指摘。「米金融当局はソフトランディング(軟着陸)ではなくリセッションを招く可能性が高い」と述べ、インフレは通常、利上げサイクルの初めにはフェデラルファンド(FF)金利を下回るが、現状ではその逆だと付け加えた。

 

Shaky Stocks Send S&P 500 to the Bear Market Brink and Back(抜粋)

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