(ブルームバーグ): 米共和党のマコネル上院院内総務は、400億ドル(約5兆1800億円)規模のウクライナ支援法案が18日に上院で可決されるとの見通しを示した。北大西洋条約機構(NATO)が14−15日に開いた外相会合では、加盟申請の計画を発表したフィンランドとスウェーデンへの支持が多くの加盟国から表明された。

  ベルリンでのNATO外相会合後、ストルテンベルグ事務総長は、トルコには北欧2カ国による加盟の取り組みを阻止する計画はないと述べた。NATOは6月に戦略的文書をアップデートする際、ロシアの行為を直接的な脅威と指摘する見込み。

  英国防省は、ロシアが2月に投入した兵力の3分の1を失った可能性を指摘。またドンバス地域での攻撃も難航していると報告した。

  ウクライナ情勢を巡る最近の主な動きは以下の通り。

ドイツ、EU制裁合意なしでもロシア産原油の輸入停止へ

  ドイツは欧州連合(EU)が次の一連の制裁で合意に至らない場合でも、ロシア産原油輸入を年末までに停止する計画だ。複数の政府当局者が明らかにした。

ドイツは年内のロシア産石油禁輸を計画、EU合意なしでも−当局者

NATO、フィンランドとスウェーデンの加盟を準備

  NATOが14−15日にベルリンで開催した外相会合では、加盟申請の計画を発表したフィンランドとスウェーデンへの支持が多くの国から表明された。ロシアのウクライナ侵攻を機に欧州の安全保障構造が劇的に変わることになる。

  実現には加盟30カ国の全会一致の承認が必要。NATO外相のほとんどが北欧2カ国の加盟への支持を表明したが、トルコのチャブシオール外相はフィンランドそして特にスウェーデンが、トルコ東部で活動するクルド人武装勢力と関係を持ってきたことを理由に難色を示した。

スウェーデン、トルコに外交団派遣へ

  スウェーデンは今週、トルコのアンカラに外交団を派遣する。エルドアン大統領がスウェーデンとフィンランドのNATO加盟を認めることに難色を表明していた。

  スウェーデンのリンデ外相は「われわれはこの状況の解消に関心がある」と説明。「双方が満足できる良い解決策を見つけようとすべきだと考える」と語り、加盟が承認されるまでのプロセスが簡単ではないことは承知しているとした。

ウクライナ支援法案は18日に上院可決の公算−マコネル氏

  米共和党のマコネル上院院内総務は、400億ドル規模のウクライナ支援法案が超党派の幅広い支持で18日に上院で可決されるとの見通しを明らかにした。

  マコネル氏は訪問先のストックホルムで記者団に対し、米国はスウェーデンとフィンランドのNATO加盟を支持するべきだと述べるとともに、ロシアをテロ支援国に指定するようバイデン大統領に呼び掛けた。

  マコネル氏ら4人の共和党上院議員は14日にキーウ(キエフ)でウクライナのゼレンスキー大統領と会談。16日にはヘルシンキでフィンランド大統領と会談する。

スウェーデン与党、NATO加盟支持と表明

  スウェーデンの与党、社会民主労働党は15日、NATO加盟を支持すると表明した。同党は長年、いかなる軍事同盟への参加にも強く反対してきたが、2月のロシアによるウクライナ侵攻で姿勢を転換した。これによりスウェーデン議会ではNATO加盟支持が圧倒的多数になる。

フィンランドとスウェーデン、NATO加盟申請へ−歴史的な転換

トルコには北欧2カ国の加盟阻止の計画ない−NATO事務総長

  NATOのストルテンベルグ事務総長は、フィンランドとスウェーデンによる「加盟を阻止する意図はないことをトルコが明確にした」と明らかにした。ベルリンでの2日間のNATO外相会合後に語った。

  ストルテンベルグ氏は、加盟プロセスに遅れが生じることなくトルコの懸念に対処できると自信を示し、迅速なプロセスが引き続き見込まれるとした。

独外相、スウェーデンとフィンランド両国のNATO加盟は迅速に進む可能性

  ベーアボック独外相はベルリンで記者団に対し、スウェーデンとフィンランドについて、両国が予想された通り申請を推し進める意向を固めれば、「極めて迅速に」NATO加盟が可能だろうとの見解を明らかにした。

ロシアによるドンバス攻撃、勢い失う−英国防省

  ロシアはこの1カ月、ドンバスで掌握地域の大幅な拡大は達成できていないと、英国防省が最新の報告で指摘した。また「ロシアは現時点で、2月に投入した地上戦闘兵力の3分の1を失っているもようだ」との分析を示した。

NATO、スウェーデンとフィンランドの加盟巡りトルコと意見交換

  NATOのナンバー2、ジョアナ事務次長は15日記者団に対し、フィンランドとスウェーデンの加盟の可能性を巡り、トルコとの間で率直な意見交換が行われたと説明した。トルコは、同国がクルド人「テロリスト」と呼ぶ組織を支援しているとして両国を批判しており、加盟プロセスへの懸念が生じている。

EU、制裁に抵触しないロシアからの天然ガス輸入計画草案

  EUは天然ガス輸入業者に対しロシアからの購入に際し制裁に抵触せず、プーチン大統領のルーブルでの支払い要求も事実上満たす解決策を用意している。

トルコ外相、PKKへの支持を批判

  トルコのチャブシオール外相はクルド労働者党(PKK)を支援しているとしてスウェーデンとフィンランドを批判。「NATOに加盟する国は、テロ組織を支援すべきではない」と主張した。

フィンランド外相、NATO加盟申請は軌道に乗っている

  フィンランドのハービスト外相は、自国とスウェーデンが最終的にNATO加盟国となることに自信を示した。NATOの外相会合を前に14日、ベルリンで記者団に語った。トルコのエルドアン大統領は13日、スウェーデンとフィンランドのNATO加盟への懸念を表明。

フィンランド大統領、NATO加盟計画巡りプーチン大統領と電話会談

  フィンランドのニーニスト大統領はプーチン大統領に電話し、向こう数日のうちにNATO加盟を目指すかどうか決定すると伝えた。大統領府が明らかにした。これに対し、プーチン大統領はニーニスト大統領に、NATO加盟するという計画は「間違いだ。フィンランドの安全保障は脅かされていないからだ」とし、両国関係を損ないかねないと伝えたとロシア大統領府は発表した。

G7外相、中国に対しロシアの侵攻「正当化しないよう」求める

  G7はドイツで開かれた外相会合後、ウクライナでの戦争を巡り中国に対し「ロシアの行為を正当化しない」ことなどの要求を提示。共同声明で、中国に対し「ロシアにウクライナへの軍事攻撃の中止を断固求めるよう」促した。また、ロシアを支援することを通じ制裁の効果を弱めないことなども求めた。

  声明でG7は、ウクライナに対する「短期的、長期的支援」にコミットしていくとしたほか、「世界の食料安全保障の確保し、この問題で最も弱い立場にある国・地域を支援していくために国際的な協力を加速させる決意だ」とした。

ドイツ首相、プーチン大統領に姿勢に変化見られず

  ショルツ独首相は13日、プーチン大統領と1時間余り電話で会談した後、大統領の姿勢に変化は見いだせないと語った。

ハリコフからロシア兵を徐々に排除

  ゼレンスキー大統領は13日夜のビデオ演説で、ウクライナ軍が北部ハリコフから徐々にロシア兵を排除しつつあるとの認識を示した。これまで1015を超える集落や町を奪還し、この数は過去24時間に6カ所に達したと説明。雇用回復のため、安全な地域ではビジネスを再開するよう促した。もっとも、南部マリウポリのアゾフスターリ製鉄所から負傷したウクライナ兵を救出する交渉は「非常に複雑」だとも語った。

米ASEAN特別首脳会議、ロシア名指し批判せず

  バイデン米大統領がホワイトハウスで主催した米国と東南アジア諸国連合(ASEAN)の特別首脳会議が13日閉幕した。共同声明はウクライナに侵攻したロシアの名指し批判を避けた。声明はウクライナでの「戦闘の即時停止」を求めたほか、「主権や政治的独立性、領土の一体性を尊重すると再確認した」としている。一方で、「ロシア」や「戦争」、「侵略」の文言は使わなかった。

ロシアからフィンランドへの送電停止

  ロシアからフィンランドへの送電が停止された。ロシア系で同国から輸入した電力をフィンランドに販売するRAOノルディックは13日にウェブサイトで、6日から入金がないとし、14日から「電力輸入を停止せざるを得ない」と発表した。ただし、フィンランドの送電システムを運営するフィングリッドは輸入がなくても同国には十分な電力があるとしている。

米大統領、スウェーデンとフィンランド首脳と電話会談

  バイデン米大統領はスウェーデンのアンデション首相とフィンランドのニーニスト大統領に対し、NATOに加盟すべきか決定する両国の権利を支持すると伝えた。ホワイトハウスが声明を出した。NATOに加わるようバイデン氏が促したかは声明は明かしていない。13日午前の電話会談で、首脳らはロシアに侵攻されたウクライナへの支援継続も話し合ったという。

米ロ国防相、ウクライナ戦争開始後初めて会談

  オースティン米国防長官とロシアのショイグ国防相が電話会談を行ったと、米国防総省のカービー報道官が明らかにした。両者の会談は2月18日以来。同報道官によると、オースティン氏は「ウクライナでの即時停戦を促し、連絡経路を維持する重要性を強調した」という。

NATO加盟でこれまでトルコから懸念伝えられたことない−スウェーデン

  トルコのエルドアン大統領がスウェーデンのNATO加盟に消極的な姿勢を示したことについて、同国のリンデ外相は「トルコ政府がこのようなメッセージを直接伝えてきたことはなく、NATO理事会でトルコがそうした行動を取ったことはなかった」と述べた。14日に始まるNATOの非公式外相会合でこの問題を取り上げる意向を示した。

イタリア、ロシア産ガス輸入停止は2024年下期に可能

  国際的な状況がさらに悪化しない限り、イタリアはロシア産ガスの輸入停止を24年下期に実現できると、チンゴラーニ環境相が語った。同相によると、イタリアがロシアから昨年輸入したガスは290億立方メートルに上るが、このうち250億立方メートルについてドラギ首相が今後半年間に代替する取引を確保したという。

ウクライナ大統領、世界経済フォーラムでオンライン演説へ

  ウクライナのゼレンスキー大統領は、22−26日にスイスのダボス・クロスタースで開催される世界経済フォーラム(WEF)年次総会向けにバーチャル形式で演説する。

ロシア兵の戦争犯罪、キーウで初の裁判開始

  ウクライナに侵攻したロシア軍兵士の戦争犯罪を裁く初の裁判が13日、キーウで開かれた。AP通信が報じた。

  訴追されたのはロシア軍のワディム・シシマリン軍曹(21)で、ウクライナ北東部の村で62歳の男性の頭部を撃った罪。ウクライナ治安当局が公表した動画で、このロシア兵は「撃つよう命令された」と話した。APによると、有罪となれば最高で終身刑が科される。

トルコ大統領、スウェーデンとフィンランドのNATO加盟に難色

  トルコのエルドアン大統領は、スウェーデンとフィンランドのNATO加盟に消極的な姿勢を示した。トルコ南東部の自治を求めて数十年にわたり武力闘争を続けるクルド人分離主義勢力の支持者が、両国で活動していることへの懸念を理由に挙げた。NATO加盟には現加盟国による全会一致の支持が必要。

  ストルテンベルグNATO事務総長は、2カ国の加盟申請を全加盟国が歓迎し、加盟手続きは速やかに進むだろうと繰り返し述べている。NATO報道官は今のところコメントの要請に応じていない。

G7、ウクライナに4兆円支援準備−独誌

  G7はウクライナが年末まで乗り切れるよう約300億ユーロ(約4兆円)相当の財政支援を準備している。ドイツ誌シュピーゲルが匿名の関係者の情報として報じた。同国のボンで来週開催されるG7財務相会合でこの計画が議論され、支援は無償供与と借款の組み合わせになるという。

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