(ブルームバーグ): 欧州連合(EU)は域内のエネルギー輸入企業に対し、制裁に抵触することなくロシア産ガスへの支払いを継続することが可能だとの見解を打ち出した。

  EUの行政執行機関、欧州委員会はこの支払いについて新たな指針を前週末に加盟国に送付したと、報道官が16日に明らかにした。新指針では企業にユーロかドルで支払いを行った上で、義務は履行されたとの考えを明確に表明するよう指示している。

  EUの制裁は「事業者が天然ガス供給契約の下で義務が生じる支払いを契約に明記された通貨で履行する目的で、指定された銀行の口座を開設することを阻むものではない」と欧州委員会は説明。「事業者は既存の契約に基づく義務を履行する意思があり、既存の契約に沿ってユーロかドルで支払いを行えば、契約上の支払い義務をすでに履行したと見なすと明確に表明するべきだ」と続けた。

  今回の指針は、ロシアが指定するガスプロムバンクで欧州企業が口座を開設することを禁止はせず、ウクライナ侵攻後にロシアに科したEU制裁に沿った形でのロシア産ガス購入を認めるものだ。ただ、ロシアは支払いを完了させるには2つ目のルーブル建て口座の開設も必要だとしており、指針はこの要求には応じていない。

  欧州企業はガス供給の維持に向けロシアの要求に従う動きを取り始めている。事情に詳しい関係者によると、イタリアのエネルギー大手ENIは今月の支払いを期限内に済ませ、供給へのリスクを回避するよう18日までにガスプロムバンクにルーブルとユーロの口座開設に動く。同社は今回の指針を待って行動を取る予定だったと、関係者の1人が述べた。

  ドイツのウニパー、オーストリアのOMGは、ガス購入の継続を見込んでいると、これまでに明らかにしている。

欧州ガス価格下落、EUが制裁に抵触しない対ロシア支払い指針を準備

EU Gives Companies Green Light to Keep Russian Gas Flowing(抜粋)

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