(ブルームバーグ): 日本銀行の雨宮正佳副総裁は17日、仮に現時点で金融緩和を縮小した場合は2%の物価安定目標の実現が遠のくことにつながるとの見解を示した。衆院財務金融委員会で答弁した。

  雨宮副総裁は、日本経済の現状は感染症からの落ち込みからの回復途上であり、仮に金融緩和を縮小すると「経済活動に一段と下押し圧力かかかり、企業収益、雇用、賃金、物価の好循環が阻害される」と指摘。「結果的に物価安定目標の持続的、安定的な実現から遠ざかってしまうというリスクがある」と述べた。

  金融政策運営は「総裁の任期との関係で論じられるべきではない」とも述べた。黒田東彦総裁は来年4月に任期満了を迎える。

  鈴木俊一財務相は、日銀には2013年の共同声明に沿って物価目標実現への努力を期待するとし、「日銀の政策は為替を誘導するために行われているものではない」と話した。デフレ脱却と持続的な経済成長に向け日銀と連携していくとし、緩和政策は政府の物価高対策と矛盾しないとの認識も示した。

  米欧の中央銀行がインフレ対応で金融正常化を進める中、物価目標の達成まで現行緩和策を継続する方針の日銀との方向性の違いを背景に、一時、20年ぶりに1ドル=131円台まで円安が進んだ。消費者物価は今後エネルギー中心に2%程度に上昇率が高まる見通しで、日銀の政策修正への思惑が市場でくすぶっている。

雨宮副総裁の発言

現在の強力な金融緩和を続け家計をサポートエネルギー価格上昇の反映部分が大きい−足元の物価上昇資源価格の上昇が続けば人々の物価観が変わっていく可能性短期間での過度な変動は望ましくない−為替財務状況の懸念を理由に金融政策運営を行うことはない

鈴木財務相の発言

過度な変動や無秩序な動きは経済・金融に悪影響を与え得る−為替米国の通貨当局と緊密に意思疎通図る為替市場の動向や日本経済への影響を緊張感持って注視外貨準備は円相場の安定、将来の為替介入のため保有最近の物価高は為替の影響あるが主に原材料価格高騰が背景スタグフレーションに陥ることないようにする必要がある低金利で国内で安定消化も、いつまでも続く保証ない−国債財政は国の信頼の礎、PB黒字化目指す金融資本市場の状況踏まえ適切に処理−政府保有上場株式の処分

(発言の詳細を追加し見出しも差し替えて更新しました)

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