(ブルームバーグ): 米国株が大きく下落した1−3月(第1四半期)に世界的投資家のファミリーオフィスが保有銘柄を大きく入れ替えたことが米証券取引委員会(SEC)への届け出で分かった。

  スタンレー・ドラッケンミラー氏率いるデュケーヌ・ファミリーオフィスが16日提出した株式保有報告書「フォーム13F」 によれば、同社はグーグルの親会社アルファベットの株式約2億7400万ドル(約354億円)相当とオンライン中古車販売のカーバナ株1億1200万ドル相当を売却。3月末時点で両銘柄を一切保有していない。

  また、民泊仲介の米エアビーアンドビーとスターバックスの持ち株も全て手放し、カナダの資源会社テック・リソーシズと米コテラ・エナジーの株式を新たに買い入れた。16日に最高値を付けた米シェブロン株は以前からかなり買い入れていたが、前四半期に買い増しした。

富裕層投資家がハイテク株離れードラッケンミラー氏はメタ株売却

  S&P500種株価指数は1−3月に約5%下落。ハイテク株中心のナスダック100指数は9%下げた。ロシアのウクライナ侵攻を受け原油価格は最高値付近にあり、エネルギー銘柄のパフォーマンスは比較的良好だ。

ソロス・ファンド

  ジョージ・ソロス氏のファミリーオフィス、ソロス・ファンド・マネジメントは1−3月に米国株のポジションを20億ドル近く減らし52億ドルとした。電動ピックアップトラックメーカー、米リビアン・オートモーティブの株価下落が大きく響いた。IHSマークイットとアクティビジョン・ブリザードの保有をやめる一方で、モバイルゲームメーカーの米ジンガ株1億2200万ドル相当を加えた。

  米投資会社TPGの共同創業者デービッド・ボンダーマン氏のファミリーオフィス、ワイルドキャット・キャピタル・マネジメントは、通信会社運営の米フロンティア・コミュニケーションズ・ペアレントと決済プラットフォームの米マルケタなどに新しいポジションを積み、プロコア・テクノロジーズと宇宙旅行会社ヴァージン・ギャラクティック・ホールディングスの株式を全て売却した。

日本株投資

      ウォルマートを創業したウォルトン家の投資会社ウォルトン・インベストメント・チーム(WIT)は、米地方債のポジションを増やし、上場投資信託(ETF)を通じ日本株に投資。新たに「iシェアーズMSCIジャパンETF」を約2億3930万ドル相当買い入れた。小型株や暗号資産(仮想通貨)交換業者の米コンベース・グローバルにも賭けている。WITは主に低コストのETFを売り買いし、前四半期末時点で米株式・ETFの保有残高は約51億ドル。

  中国の電子商取引会社アリババグループの共同創業者、馬雲(ジャック・マー)、蔡崇信(ジョゼフ・ツァイ)両氏の一部資産を運用する香港のブルー・プール・キャピタルは、米アドビと「フェイスブック」運営の米メタ・プラットフォームズ、中国の電気自動車(EV)メーカー、小鵬汽車の株式を全て売却した。

  SEC規定は米国株1億ドル超を運用する投資家に持ち株の開示を義務付けているが、ファミリーオフィスは開示文書の機密保持申し立てが可能。

©2022 Bloomberg L.P.