(ブルームバーグ): 米国の消費者は物品から旅行などのサービスに支出をシフトさせている。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)を背景とした個人消費ブームから恩恵受けていた小売業者にとっては心配な傾向である半面、サプライチェーンの混乱とインフレーションの面では明るい兆しだ。

  エコノミストの間では何カ月も前から、新型コロナ感染への懸念が後退して米国民が休暇や娯楽などの体験に支出するようになれば、物品需要は減少すると予想されていた。物品への支出が減ればサプライチェーンへの圧力は改善され、数十年ぶりの高インフレ率の押し下げに役立つと見込まれていた。

  こうした動きがようやく始まりつつある。そして、小売り大手の堅調な収益や利益率に慣れていた株式市場には劇的な影響を及ぼしている。S&P500種株価指数は18日に4%強下落し、S&P500種一般消費財・サービス指数は6.6%下落した。

  小売り大手ウォルマートとターゲットが今週発表した決算では、利益を過去2年間押し上げてきた雑貨への支出鈍化が示された。ターゲットのブライアン・コーネル最高経営責任者(CEO)は、消費者が飲食店のギフトカードや旅行かばんを買うためにテレビなどの高額商品から離れていると指摘した。

  ユナイテッド・エアラインズ・ホールディングスやサウスウエスト航空などの米航空会社は、夏の旅行需要の積み上がりで今後数カ月の好調な収入見通しを示している。

  米金融当局の観点では、商品価格のインフレ鈍化は朗報だ。1980年代以来の高インフレにつながった構成要素だからだ。サービス価格のインフレは比較的最近になって上昇したものの、ほとんどは過去のペースを維持している。物品需要の減少はまた、運送や労働市場における圧力を緩和する。

  22Vリサーチの創業者デニス・デブシェール氏はウォルマートの決算発表について、「物品のデフレと消費者の好みの変化を示す最新例だ」と述べ、「これはインフレには朗報だ。ただ、引き続き問題なのはディスインフレが米金融当局にとって十分なスピードで進むかだ」と指摘した。

Pain at Walmart, Target Is a Good Sign for Slowdown-Minded Fed(抜粋)

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