(ブルームバーグ): パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長が低迷する株式市場の救済に乗り出すことは少なくともまだ期待できない見通しだ。

  カンザスシティー連銀のジョージ総裁は19日、金融当局が数十年ぶりの高インフレを抑制するため利上げを続けると繰り返し表明している以上、株価急落は驚きではないとCNBCとのインタビューで語った。

  ジョージ総裁は株式市場の大荒れの一週間だと認めたものの、物価上昇圧力の後退を示す「明確で納得できる」証拠が得られるまで当局が利上げを続けるとしたパウエル議長の17日の発言のトーンを和らげることはなかった。

  急落した株式相場を下支えするために金融政策を変更する「FRBプット」の行使が差し迫っていると期待している投資家にとっては、残念な言動だろう。

  米金融当局は今月の連邦公開市場委員会(FOMC)会合で0.5ポイントの利上げを決定。4日に記者会見したパウエル議長は、連邦準備制度のバランスシート圧縮を進めるとともに、6、7両月の会合でも同幅利上げが検討される可能性を示唆した。

  TDセキュリティーズの金利戦略世界責任者、プリヤ・ミスラ氏は「金融状況の引き締まりは利上げと量的引き締め(QT)の意図した結果だ」とし、「当局者は総需要の鈍化を望んでおり、そのためには金融状況が引き締まる必要がある」と説明した。

  18日の米株式市場でS&P500種株価指数は2020年6月以来の大幅下落に見舞われた。パウエル議長はその前日のイベントで、「もちろん相場が大きく変動する日もあるだろう」と述べるとともに、「金融状況は全般として大幅に引き締まった。それは誰の目にも明白と考えられ、われわれが必要としているものだ」と話していた。

  株価下落は「資産効果」によって支出削減につながるため、インフレ抑制のための景気減速を狙う金融当局を後押しすることになる。

  ノムラ・セキュリティーズのエコノミスト、ロバート・デント氏は「これまでの経過は、成長を鈍化させ、落ち込んだ供給に需要を合わせるために金融状況を引き締めるという点では連邦準備制度の目標と引き続き合致している」と指摘。「いかなる犠牲を払ってもインフレを鈍化させる決意の連邦準備制度と、市場は折り合いを付けつつある」と述べた。

Fed to Plow Ahead on Half-Point Hikes, Undeterred by Stock Slump(抜粋)

©2022 Bloomberg L.P.