(ブルームバーグ):

米半導体メーカーのブロードコムは、クラウドコンピューティングを手掛ける同国のヴイエムウェア買収に向け交渉している。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。実現すれば、高度に専門化したソフトウエア分野への参入につながる大型買収となる。

  協議が非公開であることを理由に関係者が匿名で語ったところによれば、交渉は継続中で合意に至る保証はない。ヴイエムウェアの現在の時価総額は約400億ドル(約5兆1200億円)。標準的水準のプレミアムが付くと想定すればこれを上回る額となるが、検討中の条件は不明。

  ブロードコムのホック・タン最高経営責任者(CEO)は一連の買収を通じ、同社を業界最大級で最も多角化された企業に育て上げてきた。近年はソフトウエア分野に注力しており、2018年にCAテクノロジーズ、19年にはシマンテックの企業向けセキュリティー事業を買収した。

  ヴイエムウェアの担当者はコメントを控えた。ブロードコムの担当者からもコメントを得られていない。

  ブロードコムは過去に株式非公開のソフトウエア会社SASインスティテュートを150億−200億ドルと評価する内容で買収交渉を進めたが、合意に至らないまま協議は昨年物別れに終わった。同業クアルコムの買収を目指したこともあったが、18年に当時のトランプ米政権が国家安全保障上の懸念を理由に反対したため断念した。

  1998年創業のヴイエムウェアは、いわゆる仮想化ソフトウエアを生み出したシリコンバレーのパイオニア的存在。2004年にEMCに買収されたが、EMCはその3年後、ヴイエムウェアの新規株式公開(IPO)の一環として保有株の一部を売却。16年にEMCを買収したデル・テクノロジーズは昨年、ヴイエムウェアをスピンオフ(分離・独立)した。

  ブルームバーグのデータによると、ヴイエムウェアの筆頭株主はマイケル・デル氏で、2位はプライベートエクイティー(PE、未公開株)投資会社シルバーレイク。

(2パラ以降に詳細を追加して更新しました。)

©2022 Bloomberg L.P.