(ブルームバーグ): 中国の配車サービス会社、滴滴グローバルは23日開く臨時株主総会で、ニューヨーク証券取引所からの上場廃止について株主の承認を得るとの見方が広がっている。この11カ月の株価下落で時価総額約600億ドル(約7兆7000億円)が吹き飛んだ同社は、中国当局によるテクノロジー部門締め付けの象徴的存在となっている。

  ソフトバンクグループのほか、中国のテンセント・ホールディングス(騰訊)や米ウーバー・テクノロジーズなどの大口株主は、株主投票で米上場廃止に賛成票を投じる見込みだと複数の市場関係者が明らかにした。承認されれば、サイバーセキュリティー調査の一環としてデータシステムの抜本的見直しを求める規制当局と協力する道が開け、その後に香港上場に向けた準備再開が可能になる。投資家らはそれが最も望ましい結果としている。

  数年にわたり急成長を遂げた滴滴は2021年6月、中国政府の反対にもかかわらず、米国での新規株式公開(IPO)手続きを進めた。44億ドル規模の米IPOから数日後、中国のインターネット当局は同社を提供アプリのリストから除外するよう国内アプリストア各社に命じたほか、同社への徹底的なサイバーセキュリティー調査を開始。同社のIPOをきっかけに、中国企業の海外での資金調達を制限する措置を求める声も高まった。

  香頌資本の沈萌ディレクターは、上場廃止を受け入れる以外に株主の選択肢はほとんどないが、中国市場がなお信頼に値するかどうかを見極めるため滴滴が今後どうなるかが注目されると指摘。「滴滴の上場廃止案が実現すれば、中国株に対する投資家の信頼感に深刻な打撃を与えるだろう。ただ、その後香港で高いバリュエーションと流動性を持った企業に『生まれ変わる』ことができれば、中国投資を巡る市場の懸念は直ちに消え去る公算が大きい」と語った。

  ソフトバンクGのコメントはすぐには得られなかった。フィデリティ・インベストメンツとブラックロックを含む滴滴の株主はこれまでのところ、上場廃止に関するコメントを控えている。

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