(ブルームバーグ): 中国の配車サービス会社、滴滴グローバルはニューヨーク証券取引所(NYSE)に対し、上場廃止手続きの開始を決定したと通知した。臨時株主総会での承認を受けたもので、6月2日以降に上場廃止に必要な書類を提出する計画だと23日に発表した。

  昨年6月の米上場以来、滴滴の時価総額は約700億ドル(約9兆円)減少。同社は中国当局のハイテクセクター締め付けの象徴となった。23日の米株式市場で同社の米国預託証券(ADR)は取引開始直後に一時10%高を付けた後、下げに転じて4%安で終了した。

  株主投票の結果、同社のデータシステム見直しを求める中国当局との交渉に道が開けた。この問題が解決すれば、同社は投資家が最善と考える香港上場に向けて準備を開始できる見通し。

  クレーン・ファンド・アドバイザーズのブレンダン・アハーン最高投資責任者(CIO)は一時の株価上昇について、「このニュースは十分予想されており、安心感による上昇だ」と説明。「今回の動きは規制当局の審査を可能にするのが目的であり、同社の再上場が行われ得るか、行われるならその時期はいつかという問題を提起する。これについては香港再上場の可能性が語られている」と述べた。

  滴滴の大口株主のソフトバンクグループや中国のテンセント・ホールディングス(騰訊)、米ウーバー・テクノロジーズなどは同社の株価が上場以降、約90%下落するのを見守ってきた。上場廃止後、滴滴の株式は主要取引所に上場していない銘柄の相対取引の場となるピンクシート市場で取引される公算が大きい。

  非上場株式を保有しないと取り決められている一部株主は滴滴株の売却を余儀なくされる可能性がある。ブルームバーグの分析によると、ヘッジファンドは既に1−3月(第1四半期)中に滴滴の持ち分を29%減らした。

  そのような取り決めのないソフトバンクGなどは中国政府が科す罰則や中小のライバル企業との競争激化、海外進出の停滞を巡る不確実性を踏まえ、株式保有を継続する価値があるかどうかを判断するとみられる。

 

(今後の見通しなどを追加して更新します)

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