(ブルームバーグ): リセッション(景気後退)入りを懸念し、株を敬遠している投資家は、企業内部の旺盛な自社株購入についてよく考えてみたいと思うかもしれない。

  企業経営者や幹部による自社株買いの動きは、2020年の弱気相場の底を正確に示唆した。週間ベースとしては約20年ぶりの長期下落局面となった今回、底値拾いをしていた企業インサイダーらは23日に報われた。バイデン米政権がトランプ前政権が発動した対中関税を見直すとの期待が材料視され、S&P500種株価指数は2%近く上昇した。

  ワシントン・サービスのまとめによると、5月は1100社余りの経営幹部らが自社株式を購入。20年3月以来で初めて、インサイダーが自社株買いに動いた企業が売りに動いた企業を月間ベースで上回る見込みという。

  ただその一方で、投資家は株式ファンドから資金を引き揚げ、ウォール街のストラテジストらは、米金融当局による積極的な引き締めでリセッション入りのリスクがあるとの見方から先を争うように市場見通しを下方修正している。   

  現時点での押し目買いの成否は、予想される企業業績にどの程度信頼が置けるかに行き着くだろう。既存の予想が正しければ、S&P500種構成銘柄の来年の1株利益の合計は248ドルとなり、これに基づく同指数の株価収益率(PER)は約16倍で従来に比べ割安だ。企業経営者や幹部による自社株式の購入熱は、金融引き締めで景気にブレーキがかかっても利益を達成できる自信を意味している可能性がある。 

  アイコン・アドバイザーズのクレイグ・キャラハン最高経営責任者(CEO)は「企業ファンダメンタルズの見解は通常正しいと思う」と指摘した。

  インサイダーが自社株式を売る行動に出た企業に対する買いに動いた企業の割合(売り買いレシオ)は15年8月と18年終盤に上昇。15年は相場の底入れより前、18年は一致するタイミングで起きた。今月の同レシオは1.04と4月の0.43から大きく上向いている。

  米スターバックスの暫定CEO、ハワード・シュルツ氏やインテルのパット・ゲルシンガーCEOは、S&P500種が弱気相場入りの瀬戸際に立たされた最近の下げ局面で自社株を買った。 

米国株のさらなる下落に備えを、最低10%値下がりか−MLIV調査

 

©2022 Bloomberg L.P.