(ブルームバーグ): 4月の米個人消費支出(PCE)の堅調や物品貿易赤字の大幅縮小からは、同国経済が1−3月(第1四半期)のマイナス成長からすぐに抜け出す方向にある様子がうかがわれる。

  ただ、製造業の景況指数低下や住宅市場の落ち込み、雇用・賃金の伸び鈍化予想を背景に年末にかけてもこうした勢いを維持することができるかどうかは疑問がある。インフレは多少和らいだものの引き続き高止まりしており、米連邦準備制度は積極的な金融引き締めを続ける見通しだ。

  4月のPCEはインフレ調整後の実質ベースで前月比0.7%増と3カ月ぶりの大幅な増加となり、4−6月(第2四半期)の実質GDP(国内総生産)のプラス転換に寄与すると予想される。一方、1−3月期の実質GDP改定値は前期比年率1.5%減となったが、その主因である物品貿易赤字は4月に2009年以来の大幅縮小を記録した。

  こうした展開は米経済に楽観を抱かせる理由ではあるが、ニューヨーク、リッチモンド、フィラデルフィア各地区連銀が発表した5月の製造業景況指数はいずれも低下し、20年半ば以来の低水準かその近辺となった。4月のコア資本財受注の伸びはやや鈍化した。

  米労働省が6月3日に発表する5月の雇用統計は、非農業部門雇用者数の伸び鈍化が予想され、労働力需要の過熱解消の兆候が顕在化し始めると見込まれている。そうなれば、賃金上昇圧力が年内に緩和に向かい、インフレ抑制を目指す米金融当局に最終的に多少の安堵(あんど)感を与えることになりそうだ。

US Economic Data Signals Firmer Growth That May Ease by Yearend(抜粋)

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