(ブルームバーグ): バンク・オブ・アメリカ(BofA)のストラテジストらによれば、英ポンドは新興国通貨で通常見られるような苦境に直面しており、投資家はポンドの「実在的」危機をヘッジする必要があるという。

  ストラテジストのカマル・シャーマ氏はリポートで、イングランド銀行(英中央銀行)による利上げ継続はポンドを救うには力不足だと指摘。英国の経常赤字や、北アイルランドを巡る欧州連合(EU)との関係悪化、さらに、英中銀の信頼性についての疑念が重なり、「最悪の状況」を生じさせるリスクがあるという。

  シャーマ氏は「ある種の『終末』シナリオとして英ポンドの苦境を誇張し過ぎたくはないが、英国の政策の政治問題化が進むと、新興国のような格好で英ポンドが損なわれると懸念している」と説明。「英国で何かが変化しつつあるように感じる。英中銀の方針は解読がますます困難になり、透明性が低下している。英国のEU離脱が供給面に著しい逆風となっていることを議論したり認めたりしていない。英中銀がその責務に関する制御を失っているという感覚がある」とコメントした。

  英中銀は今月、40年ぶりの高インフレへの対応を巡って政界から批判を浴びた。同中銀は昨年12月以降に政策金利を4回引き上げ、短期金融市場は向こう5会合での毎回追加利上げを想定しているものの、ポンドは今年、主要通貨のパフォーマンスで下位3番目となっている。

  BofAのシャーマ氏は、ポンドが新興国通貨だと言っているのではなく、新興国の性格を帯びつつあるとの認識を投資家が強めていると強調。「経常収支主導の危機」のリスクについてヘッジするよう顧客に推奨した。

Sterling Risks ‘Existential’ Crisis With EM Parallels, BofA Says(抜粋)

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