(ブルームバーグ): 欧州連合(EU)は対ロシア制裁措置第6弾の承認に向けて動いているが、ハンガリーが新たな変更を求めていることで協議がなお続いている。ハンガリーを説得して合意にこぎ着けた第6弾には、ロシア産石油の一部禁輸やロシア最大手銀の「国際銀行間通信協会(SWIFT)」からの排除などが盛り込まれている。

  EUはまた、ロシア産原油の対外出荷に必要な保険サービス提供の禁止で、主要7カ国(G7)の一部加盟国との協調に取り組んでいる。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。

EU、ロシア産原油輸送の保険提供禁止でG7協調を模索−関係者

  クレジットデリバティブ決定委員会(CDDC)は1日、ロシアが債務支払いに関する条件に違反したと判断。数十億ドル規模のクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)に関して保険の支払いが発生する可能性がある。

ロシアに「支払い不履行」の信用事由発生−決定委員会が判断 (1)

  ロシア軍はウクライナ東部ルガンスク州セベロドネツク市の3分の2余りを制圧。モスクワ北東部で核搭載可能ミサイルも持ち込んだ演習も行っているが、発射実験が間近に迫っているかどうかは明らかにしていない。

 

  ウクライナ情勢を巡る最近の主な動きは以下の通り。

トルコ、フィンランド、スウェーデンの高官協議、NATO事務総長が呼び掛け

  北大西洋条約機構(NATO)のストルテンベルグ事務総長は、スウェーデン、フィンランド、トルコの高官を集めた会合をブリュッセルで数日以内に開催する意向だと述べた。北欧2カ国のNATO加盟申請に対するトルコの懸念に対応するもの。事務総長は6月下旬にマドリードで開催されるNATO首脳会議までに問題解決を図る意向を示した。

EUの対ロ制裁協議、ハンガリーの新たな要求で再び中断

  EUの対ロ制裁第6弾を巡る協議は1日午後、ハンガリーが新たな要求を持ち出して再び行き詰まった。同非公開協議に詳しい複数の当局者が明らかにした。

  当局者によると、ハンガリーはロシア正教会のトップであるキリル総主教を制裁対象者リストから外すよう求めた。石油禁輸についても細かいテクニカルな問題を提起。大使級会合での第6弾の承認スケジュールは未定だという。

米国のウクライナへの武器追加供与、「火に油」−ロシア大統領府報道官

  ロシアのペスコフ大統領府報道官は、米国から供与される長距離ロケットをロシア領内には発射しないとするウクライナの主張について、ロシア側は納得していないと述べた。同報道官は会見で、新たな武器供与は「火に油を注ぐようなもの」だとし、クレムリンとしては否定的にとらえていると語った。

  バイデン米大統領はウクライナに対し、ロシアとの戦争でより精度の高い「高度なロケットシステム」や他の武器を供与する方針を示した。ロシアの侵攻開始から4カ月目に入ったウクライナへの軍事支援を一段と強化する。

バイデン氏、米はウクライナにより高度なロケットシステム供与へ (1)

ドイツ、ウクライナに誘導ミサイル提供へ

  ドイツのショルツ首相は、ウクライナに「IRIS−T」誘導ミサイルを提供する方針を明らかにした。具体的な数量には言及しなかった。ドイツ政府に対しては、ウクライナへの大型兵器供給に消極的だとの批判が強まっている。

ロシア外相、サウジ外相と会談−OPECプラスでの協力称賛

  ロシアのラブロフ外相は31日、サウジアラビアのファイサル外相とリヤドで会談し、両国間の貿易・経済協力拡大について話し合った。ロシア外務省が声明で明らかにした。双方は石油輸出国機構(OPEC)と非OPEC主要産油国で構成する「OPECプラス」での協力や、石油価格の安定を目指す共同の取り組みを称賛したという。

  米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)は同日、制裁と欧州の一部禁輸によってロシアの石油増産能力が制限され始めているとして、OPECの一部加盟国が石油生産協定からロシアを除外する案を検討していると報じた。

OPEC、生産協定からのロシア除外を検討−報道

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