(ブルームバーグ): 日本銀行の若田部昌澄副総裁は1日、日銀が物価安定目標で目指している持続的・安定的な2%目標の実現について、コストプッシュの物価上昇になっている中で、物価上昇がどれくらい続けば持続的・安定的かを先に決める必要はないと述べた。岡山県金融経済懇談会に出席後、記者会見した。

  若田部氏は「カレンダーベースで何年続けばというのは言いにくい」とも指摘した。仮に現状のコストプッシュによる物価上昇が1年以上続いても、「持続的・安定的ではないと判断せざるを得ない。その時に金融政策で対応するのは望ましくない」と語った。

  消費者物価(生鮮食品を除くコアCPI)の前年比上昇率は、昨年の携帯電話通信料の値下げによる影響が一巡し、4月に2.1%に伸びが加速した。日銀が物価安定目標とする2%に到達したが、電気代やガソリンなどエネルギーが中心の上昇であり、持続的・安定的な2%目標の実現にはならないと日銀は判断している。

許容変動幅

  日銀はイールドカーブコントロール(長短金利操作、YCC)政策で長期金利の誘導目標を0%程度としており、許容変動幅を上下0.25%程度に設定している。

  若田部氏は、このレンジを拡大すれば、昨年の3月に金融政策の点検でレンジを明確化した意味がなくなるとし、「事実上の利上げになる」との認識を示した。

  追加緩和の必要性については「蓋然(がいぜん)性として、それほど高くないのではないか」と指摘。経済の下振れリスクが存在する中では、「追加緩和手段は残しておかなければいけないと考えているし、検討はいつもしておかなければいけない」とも話した。

金融緩和を継続、賃金上がる環境維持が必要−若田部日銀副総裁 (1)

他の発言

サービス価格が動くかがインフレになるかの要為替レートを目標とした政策発動は望ましくない為替はファンダメンタルズで決まるのが望ましい為替の急激な変動は企業の事業計画に不確実性、望ましくない待機資金が予備的貯蓄に変化する危険性はあるがメインシナリオではない

(発言の詳細を追加して更新しました)

©2022 Bloomberg L.P.