(ブルームバーグ): みずほ銀行は、融資や決済、貿易金融など顧客企業の資金を一元管理する「トランザクションバンキング」事業をアジア地域で強化する。邦銀にとっては安定的な外貨調達源にもなるため、陣容を拡大し、さらなる顧客の獲得を目指す。

  4月に就任した加藤勝彦頭取はブルームバーグとのインタビューで「商品だけで勝負するのは難しいが、東南アジアの規制緩和や外貨管理の英知、ワークフローのコンサルティングをセットで営業すると意外に欧米に勝てる手応えがある」と語った。

  トランザクションバンキングにおいて同行は後発参入組だが、アジア・オセアニア地域の新規取引社数は、20年度の43社に対し、21年度は144社と3倍超増えた。22年度の同地域からのトランザクションバンキング収益は前年度比で約2割の伸びを見込むという。  

  有力バンカーを採用するなど体制を整備しており、アジア・オセアニア地域での人員は約160人。ことし1月には、英銀スタンダードチャータードのアシュトーシュ・クマール氏が同地域の共同責任者として加わった。加藤氏は、外部人材の採用も含め、人員を増やしたい意向を示した。

  トランザクションバンキングに注力するのは、企業が決済などに使う外貨を管理することで安定的にドル資金などを確保できる手段にもなるため。日本銀行は昨年10月公表のリポートで、大手邦銀は海外で融資を積極化する一方、豊富なリテール預金基盤がないため、安定的な外貨調達の実現は、経営上の最重要課題の一つと指摘している。

  みずほ銀のアジアでのトランザクションバンキングにおける流動性預金残高(平残)は、過去5年間で約50%増加した。加藤氏は「米国の金利が上昇するほど、外貨資金の調達源としての重要性は増す」とみている。

  加藤氏は1988年に富士銀行(現みずほ銀)に入行。ハノイ支店長やソウル支店長を務めるなど、国際業務に15年携わったみずほグループ屈指のアジア通。2020年に常務執行役員、21年に副頭取を経て、ことし4月に頭取に就任した。

(銀行側の申し出により、第3段落の21年度取引社数144社を合計から新規増加分に訂正します)

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