(ブルームバーグ): 1日の米株式相場は続落。この日発表された経済指標が堅調で、米金融当局によるインフレ抑制の取り組みがまだ十分でないことが示唆された。JPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモン最高経営責任者(CEO)は引き締め政策で経済がリセッション(景気後退)に陥る恐れがあると警戒感を示した。

  S&P500種株価指数は前日比0.8%安の4101.23。ダウ工業株30種平均は176.89ドル(0.5%)安の32813.23ドル。ナスダック総合指数は0.7%下落。

  米ISM製造業総合景況指数が予想外に上昇したほか、米求人件数はなお高水準にとどまり、金融当局が物価抑制に向け引き締めの強化を迫られるとの懸念が強まった。

米ISM製造業総合景況指数、5月は予想外の上昇−受注が増加 (1)

米求人件数、4月も高止まり−過去最高の前月分は上方修正 (1)

  S&P500種では金融株の下げが目立った。ダイモン氏は金融状況の引き締まりに伴い、民間の借り手が立ち往生している可能性があるとの見方も示した。  

経済の「ハリケーン」に備えよ、JPモルガンのダイモン氏が警告

  BNPパリバの米株式・デリバティブ(金融派生商品)戦略責任者、グレッグ・バウトル氏は「市場はやや曖昧な状態に置かれている」と指摘。「弱気相場のような環境にあるが、リセッションの証拠はマクロデータでまだ見られていない。従って、米経済がハードランディングではなくソフトランディングに向かう軌道は存在するとなお考える」と述べた。

  米国債市場では利回りが上昇。利上げ観測が強まったことが背景。ニューヨーク時間午後4時18分現在、10年債利回りは7ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の2.91%。

  米国債利回り上昇を受け、外国為替市場ではドルが主要10通貨の大半に対して買われた。カナダ・ドルも堅調。 カナダ銀行(中央銀行)は政策金利を0.5ポイント引き上げ、先行きのタカ派的な軌道を示唆した。主要通貨では円の下げが目立った。米金融当局はこの日から、バランスシートの圧縮を開始した。

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  主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は0.6%上昇。ニューヨーク時間午後4時19分現在、ドルは対円で1.2%高の1ドル=130円16銭。ユーロは対ドルで0.8%安の1ユーロ=1.0652ドル。

  ニューヨーク原油先物相場は反発。ただ、米政権が主要産油国サウジアラビアとの関与を引き続き望んでいるとのブリンケン米国務長官の発言が伝わると、午後の取引で上げ幅を縮小した。複数のトレーダーによると、この報道はエネルギー価格抑制に向けた米政権の積極的な取り組みを示す具体的ステップと受け止められた。

  ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物7月限は、前日比59セント(0.5%)高の1バレル=115.26ドルで終了。ロンドンICEの北海ブレント8月限は69セント高の116.29ドル。

  ニューヨーク金先物相場は小幅高。ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物8月限は、前日比0.1%未満高い1オンス=1848.70ドルで終えた。インフレ高進と金融市場のボラティリティー拡大が経済見通しを圧迫する中、投資家は米金融政策引き締めにつながる材料を意識した。

  ストーンXグループのアナリスト、ローナ・オコネル氏は「ファンダメンタルズは全体的に金の支援材料だが、そこまで積極的な材料ではない。市場はインフレなのかスタグフレーションなのかリセッションなのかを見極めようとしている」と指摘。トレーダーは3日発表の米雇用統計待ちでもあるとの見方を示した。

Treasuries Slide, Hold Losses Spurred by Bank of Canada Decision(抜粋)

Dollar Rises Along With Yields; Yen Leads Losses: Inside G-10(抜粋)

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