(ブルームバーグ): 中国当局が資金繰りに苦しむ不動産開発会社を支えるよう市中銀行に対する圧力を強めている。数カ月に及ぶ要請にもかかわらず、銀行側が融資を増やさなかったためだ。

  中国人民銀行(中央銀行)の地方支部は融資伸び悩みの理由や金融機関が直面している問題、当局がどのように支援できるかを探るため、先週から幾つかの都市で市中銀行との会合開催を求めている。事情に詳しい関係者が明らかにした。

  人民銀はここ数カ月、いわゆる「窓口指導」を重ねて不動産融資の拡大を求めてきたが、今回の動きは当局が一段と懸念を強めている状況を示している。非公開情報だとして関係者が匿名を条件に語った。

中国当局、銀行に不動産融資の強化促す−デフォルト懸念台頭で 

  住宅の販売低迷が続く今、起債による資金調達が難しい不動産開発各社が当てにしているのは銀行融資だ。だが、業界への銀行融資によるキャッシュフローは最近数カ月で30%近く落ち込んでおり、景気減速を悪化させる不動産不況を止めたい習近平国家主席の取り組みは逆風を受けている。

及び腰

  当局の要請にもかかわらず、市中銀行は不動産セクター向けエクスポージャー拡大に及び腰だ。不動産開発企業のデフォルト(債務不履行)や返済遅延が増えているためで、関係者によれば、一部の銀行は融資の焦げ付きを防ぐためだけに借り換えに応じている。

  習指導部が金融システムにおける腐敗取り締まりを強化していることも、銀行側を消極姿勢に傾かせる。関係者によると、当局が貸し出しを増やさない銀行を処分するところまでは至っていない。

中国不動産セクターの警告シグナル、高利回り債発行のこの5社に注目

 

  融資が伸びない理由は貸し手側だけにあるわけではない。一部の民間建設会社は販売軟調のリスクを考慮し、新規住宅プロジェクト向けの借り入れに慎重だと関係者は話した。金利低下にもかかわらず、住宅市場低迷が住宅ローン需要の重しになっている。

  人民銀にファクスでコメントを求めたが返答はなかった。

中国の融資需要低迷、「ゼロコロナ」戦略響く−流動性のわな懸念

  北京のブティック型投資銀行、香頌資本の沈萌ディレクターは「不動産会社に命綱を提供すれば銀行はリスクを負わなければならないし、販売改善の見込みなしで不動産会社が債務を増やす理由もない」と指摘。「十分な住宅購入需要がなければ、銀行も不動産開発会社も共倒れになる」と述べた。 

 

 

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