(ブルームバーグ): 日本銀行の黒田東彦総裁は3日、家計の所得が伸び悩む中での物価上昇は「実質所得の減少を通じて経済の下押し要因となり、望ましくない」と語った。参院予算委員会での答弁。

  日本経済は感染症による落ち込みからの回復途上にあり、雇用・所得環境は「全体として弱め」と指摘した。最近はガソリンや食料品など購入頻度の高い品目の価格上昇で多くの家計が物価上昇を実感しているとし、「体感物価の上昇が家計の消費マインドに悪影響を及ぼす可能性があるので十分注意していく」と述べた。

  日銀が目指しているのは「経済活動や賃金が改善する中で物価が緩やかに上昇する好循環の形成だ」と説明。金融緩和によって賃金が上昇しやすい環境を作り出すことが重要との認識を示した。

  4月の消費者物価(生鮮食品を除くコアCPI)の前年比上昇率は、昨年の携帯電話通信料の値下げによる影響が一巡し、2.1%と日銀が物価安定目標とする2%に到達した。日銀は電気代やガソリンなどエネルギー価格の上昇が主因であり、持続的・安定的な2%目標の実現にはならないとの判断を示している。

(発言の詳細を追加して更新しました)

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