(ブルームバーグ): ソフトバンクグループ株が5月半ばから反発基調を強めた背景には、前の月と比べて積極的に行った自社株買いの効果があった。過去最大の純損失を計上した前期(2022年3月期)決算発表の翌日に株価は1割以上急騰したが、昨年11月以降、1日の買い入れ額としては最大だったことが同社の公表資料で分かった。

  ソフトバンクGが7日に関東財務局へ提出した報告書によると、5月2日から31日までに同社は株数ベースで約2362万株、金額ベースで1193億円の自社株を取得した。4月(1605万株、884億円)に比べると、買い入れ額は35%増加した。

  中でも、決算発表翌日の13日に1日で約355万株、約173億円を買い入れ、1兆円の自社株買いプログラムを開始した昨年11月以降で最大を記録。同日の株価は12%高と急騰し、終値での上昇率は20年3月24日(19%)以来の大きさとなった。

  同社は21年11月8日、1年間で1兆円の自社株買いを実施する計画を発表し、5月末時点の累計取得額は約5523億円となっている。

  ソフトバンクGの前期決算は、ビジョン・ファンド(SVF)の出資先企業の評価が大きく下がったことで、過去最大となる1兆7080億円の純損失を計上。孫正義社長は会見で、「今後取るべき行動は徹底した守り」だとし、SVFによる新規出資を半減させると述べたため、市場の一部では自社株買いが加速するとの見方が出ていた。

  5月31日付でソフトバンクGの投資判断を強気の「1(アウトパフォーム)」で据え置いたSMBC日興証券の菊池悟シニアアナリストはリポートで、投資先の株価下落は重いものの、22−23年は過去の投資の収穫期になると予測。保有株の売却を通じてキャッシュフローが増えるほか、「バランスシートやLTV比率も改善し、自社株買いなども加速、追加される可能性がある」と指摘した。

(5月の取得株数の比較を入れ、全体を再構成します)

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