(ブルームバーグ): 金融庁は、ESG(環境・社会・企業統治)市場の信頼性向上に向けた監督指針の策定を検討する。実体が伴わないのに環境配慮などを装う「ESGウォッシュ」を防止するため、金融当局としての問題意識を従来より鮮明にする。政府が7日に閣議決定した「新しい資本主義」実行計画のフォローアップ文書に明記した。

  この文書は、岸田文雄首相の目玉政策「新しい資本主義」実行計画に関する進捗(しんちょく)や新たな取り組みについてまとめたものだ。

  金融庁が主体となって進めるサステナブルファイナンスについては、投資信託などを提供する資産運用会社に対して適切な運用プロセスの明確化や開示の充実、顧客への丁寧な説明を一層求めていくため「2022年度末を目途に監督指針について所要の措置を講ずる」とした。

  金融庁は5月に公表した「資産運用業高度化プログレスリポート」で、ESG投信を提供する資産運用会社のうち3割で専門部署がないことなどに触れ、すでにESGウォッシュへの問題意識を明確にしていた。ただ、リポートでは運用会社の取り組み改善を促すための「べき論」を列挙するにとどまっていた。

  政府関係者によると、今回「監督指針」との文言を新たに加えることで、この問題に対する金融庁の姿勢を一段階引き上げたという。

  ESGウォッシュは世界的な課題だ。5月にドイツ銀行本店と資産運用部門DWSグループのフランクフルト拠点が、この問題を巡る疑いで警察の家宅捜索を受け、6月にDWSのアソカ・ブアマン最高経営責任者(CEO)の退任が公表される事態につながった。

  また、フォローアップ文書には、有価証券報告書に気候変動対応などのサステナビリティー情報の記載欄を設けることを検討し、「一定の結論を得る」との方針も盛り込まれた。

 

(閣議決定を踏まえて内容を更新しました)

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