(ブルームバーグ): 世界銀行は今年の世界経済成長率予想をさらに引き下げた。平均以上のインフレと平均以下の成長が数年続き、低中所得国・地域を不安定化させるリスクがあると警告した。

  マルパス総裁は7日公表した世界経済見通しの前文で、「世界経済は再び危険な状態にある」と指摘。「高インフレと低成長に同時に見舞われている。世界的リセッション(景気後退)が回避できたとしても、大幅な供給増加が始まらなければスタグフレーションの痛みは数年続く可能性がある」と分析した。

  世銀は今年の成長率を2.9%と予想。4月時点では3.2%、1月時点では4.1%と見込んでおり、予想の引き下げが続いている。エネルギーおよび食料価格の高騰、ロシアのウクライナ侵攻に伴う供給混乱、世界の中央銀行による過去最低水準からの金利引き上げが背景にある。日本については1.7%と予測。

World Bank Global Outlook and Forecasts: Summary (Table)

 

 

  マルパス総裁は「多くの国にとってリセッション回避は難しいだろう」とし、過去2年の負の衝撃は開発途上国・地域の約40%で23年の国民1人当たり実質所得が新型コロナ前の水準を下回ることを意味すると付け加えた。

 

  新興国や途上国・地域の負債水準が過去数十年で最高となっているため、「世界的な借り入れコスト上昇と自国通貨の為替レート下落が1980年代初期のような金融危機を引き起こす恐れがある」と世銀は指摘した。

  その他の予想は以下の通り。

米国の今年の成長率予想は2.5%と、1.2ポイント引き下げ。エネルギー価格の上昇や金融環境の引き締め、ウクライナでの戦争による追加的な供給障害が理由中国は4.3%に下方修正。新型コロナや関連するロックダウンの打撃が予想以上に大きいと分析ユーロ圏は2.5%成長の見込み。1月予想から1.7ポイント下方修正ウクライナは45.1%縮小、ロシアは8.9%縮小の可能性

 

 

(日本の見通しを第3段落に加えます)

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