(ブルームバーグ):

三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)は、富裕層向け(ウェルスマネジメント)事業を強化する。米モルガン・スタンレーとの合弁である三菱UFJモルガン・スタンレー証券の小林真社長はブルームバーグとのインタビューで、同事業について「日本のナンバーワンハウス(企業)を目指す」と意気込みを語った。

  4月1日付で就任した小林社長は、同社のほか野村証券や大和証券など大手対面証券5社の中で、この分野において明確にナンバーワンと呼べるところはまだいないと指摘。2023年度までの3年間で運用一任サービスのファンドラップや投資信託などストック型資産の純増2兆円を達成し、成長を加速させたい考えを示した。

  初年度となる21年度の実績は6800億円と、よい滑り出しだったという。同社は現時点のストック型資産の総額は開示していない。親会社の三菱UFJ証券ホールディングス(HD)の22年3月末の預かり資産総額は42兆9000億円。小林氏は三菱UFJ証券HDの社長も兼ねる。

  2兆円の純増に向けては、プライベート・エクイティ(PE、未公開株)などオルタナティブ資産も積極的に取り扱う。小林氏によると、PEの21年度の販売額は700億円以上と好調。また、モルガンSの富裕層向け事業は全世界で約4兆9000億ドル(約654兆円)の預かり資産を持つ最大手の一つで、同社のノウハウを活用できるのが強みだ。

  今年4月からは、モルガンSからの助言を元に担当者一人一人の営業成績や資格などを記録するソフトを導入。担当者がデータを参考に研さんを積むことで、人材の質を高めるという。

  MUFGは20年に三菱モルガンと富裕層事業を手掛けていた三菱UFJモルガン・スタンレーPB証券を合併し、グループ内の同事業を再編。三菱モルガンが21年4月1日付で全国の支店担当者も取り込んだ「ウェルス&ミドルマーケット本部」を発足させるなどの手を打ってきた。

  また、三菱UFJ証券HDが米投資会社アルケゴス・キャピタル・マネジメントとみられる顧客との取引に関連して22年3月期決算で約296億円の損失を計上したことについて、小林社長は「じくじたる思いはある。一つの原因ではなく、さまざまな要因が絡んだ結果だと受け止めている」と述べ、リスク管理を含めた体制強化を図る意向を示した。

  同顧客との取引による損失を巡っては、野村ホールディングスが3111億円の損失を計上したほか、スイスのクレディ・スイス・グループなど国内外の複数の金融機関が影響を受けた。

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