(ブルームバーグ):

米電気自動車(EV)メーカー、テスラのイーロン・マスク高経営責任者(CEO)による440億ドル(約5兆9000億円)規模の米ツイッター買収計画は、合意を撤回する可能性があるとの同氏の脅しにもかかわらず、多くの大口出資者やシリコンバレーの有力企業を引き寄せてきた。だが、注目すべき支援者は他にもいた。

  アラブ首長国連邦(UAE)のドバイに本拠を置く投資会社Vyキャピタルが支援者リストの上位に名を連ねていることが、規制当局への届け出と事情に詳しい複数の関係者の話で明らかになった。同社はマスク氏のツイッター買収に向け7億ドルの資金提供を約束。外部の投資家では、ラリー・エリソン氏とセコイア・キャピタルに次ぐ3位の規模だ。

  Vyは謎のベールに包まれた創業者アレクサンダー・タマス氏の下で運用資産が50億ドル余りに拡大。主要ウェブサイトは1ページだけで、住所や連絡先の詳細は記載されていない。    

  資金調達源や投資の性質に関する公式記録がほとんどないVyにとって、今回の案件を資金面で支える能力は注目に値する。ピッチブックのデータによれば、同社はマスク氏のトンネル掘削会社ボーリングや暗号資産(仮想通貨)交換業者のエリスXにも出資している。

  タマス氏はこれまでも著名投資家と数多くのかかわりを持ってきた。Vy設立前は資産家ユーリー・ミリネル氏とタッグを組み、現在はマスク氏とのつながりを深めているようだ。マスク氏率いる宇宙開発事業のスペースXと脳科学関連スタートアップのニューラリンクにも資金を投じた。

  タマス氏の広報担当はコメントを控えた。ドバイにある同社オフィスを最近訪問した際、そこにいたのはアシスタント1人だけで、残りのスタッフ(タマス氏を含めUAE全体で10人程度)はリモートで働いているという。リンクトインによると、同社は世界全体で25人前後の従業員を抱えている。

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