(ブルームバーグ):

中国・上海市当局は今週末に新型コロナウイルス大規模検査を実施するため、約2500万人のほぼ全ての住民を対象に一時的な封鎖措置に乗り出す。同市は約2カ月に及ぶロックダウン(都市封鎖)が事実上解除されたばかりで、食料品店に買い物客がまた殺到するなど新たな混乱が生じている。

  上海市には16の行政区があるが、週末の封鎖計画はコロナ感染がわずかに見つかった1つの行政区から始まり、瞬く間に14カ所へと広がった。保健当局は静かなコロナ感染をあぶり出すため検査を活用。中国の大規模検査はコロナ感染を徹底的に抑え込む「ゼロコロナ」政策の鍵となる手段だ。

  上海市はコロナ感染対応の初動が遅れ、3月下旬に厳格なロックダウンを余儀なくされた経緯があり、今回の検査急拡大はコロナを巡る懸念の根深さを示している。住民は検査後に解放される見通しだが、新たな感染が居住区内で見つかれば封鎖下に逆戻りとなる。

中国はゼロコロナ堅持、大規模検査で封じ込め−むしろ危険との指摘も

  上海のコロナ新規感染は9日に11人。そのうち6人が隔離エリア外での感染だった。中国本土の新規感染者は計73人だった。

  隔離エリア外での感染者6人のうち、南西部にある人口265万人の閔行区で4人が見つかった。発表文によると、同区は11日午前に大規模検査のため封鎖される。他の多くの行政区でも11日にコロナ検査が実施されるが、日時を明示していない地区もある。16行政区のうち、検査リストに載っていないのは普陀区と崇明区のみ。

  コロナを地域的・周期的な流行であるエンデミックとして受け入れる国・地域が増える中で、上海市で再び封鎖措置が講じられることになり、コロナ根絶を図る中国の取り組みの難しさが浮き彫りとなっている。コロナ規制に伴う混乱はソニーグループやテスラなど企業の生産に影響を及ぼし、テスラ上海工場の稼働はようやく正常化しつつある段階だ。

 

  今週末の封鎖計画を受けて自宅のある住宅地から離れる市民が一部出ているほか、前回ロックダウンの初期に野菜や果物を調達することが難しかった住民も多く、食料品店には客が殺到している。新たな感染が見つからなければ、わずか数時間で封鎖が解除される可能性はあるが、感染の新たなつながりが判明した場合は2週間の隔離を余儀なくされる恐れもある。

  一方、北京市では企業の本社や各国大使館が集まる朝陽区の複数の居住区で大規模検査が再開されている。バーでのコロナ感染を受けて市中感染ゼロは5日間で止まった。北京の9日のコロナ新規感染は8人だった。

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