(ブルームバーグ): 米政策当局は生活費高騰に効果的に対処しているとするホワイトハウスの主張は10日朝に打ち砕かれた。この日発表された5月の米消費者物価指数(CPI)は前年同月比伸び率が40年ぶりの大きさを更新し、消費者マインド指数は過去最低に落ち込んだ。

  バイデン大統領は声明で、「今日の統計はインフレ対策を私が最優先する経済政策課題としてきた理由を鮮明にするものだ」とコメント。変動の大きい食品とエネルギーを除く「コアCPIが落ち着いたのは良いことだが、われわれが目にすべきほど急激かつ急速には減速していない」と指摘した。

  その上で大統領は、米国は「物価押し下げに向けてより多くの行動を迅速に進める」必要があるとし、議会にエネルギーや処方薬、輸送のコストを低減する法案の可決を呼び掛けた。

  大統領の厳しい口調は、雇用統計が強くても米経済状況を巡って有権者の間で広がる幅広い懸念を映している。10日に発表されたミシガン大学消費者マインド指数は1980年の統計開始以来最低を記録した。5月のCPIは前年同月比8.6%上昇し、40年ぶりの大幅な伸びとなった。これを受けて投資家の株売りが進み、S&P500種株価指数は前日比2.9%下落した。

  ホワイトハウスは数カ月前にインフレを「一時的」と呼ぶのをやめたが、データでは物価高騰がまだピークに達していないことが示されており、リセッション(景気後退)リスクが高まっている。11月の中間選挙で過半数議席を失う可能性に直面する与党民主党にとっては悪いニュースだ。

  バイデン大統領は先月、パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長とホワイトハウスで会談し、物価抑制策におけるFRBの役割を強調した。10日にはディース国家経済会議(NEC)委員長がブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、「今日の数字は、大統領がかねて言及し、われわれが注力してきたことを浮き彫りにした。インフレ対策は経済政策の最優先事項にすべきだということだ」と発言。「FRBには必要なツールがある。FRBが運用に必要なスペースをわれわれは彼らに提供している」と語った。

Biden Team Points at the Fed as Inflation News Worsens (1)(抜粋)

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