(ブルームバーグ): 1981年以来の高インフレに屈した米株式市場にとって、状況をさらに悪化させているのが、債券利回りの手招きだ。

  5月の米消費者物価指数(CPI)は前年同月比伸び率が40年ぶりの大きさを更新し、インフレの頭打ち観測が後退したことから、米株式相場は今週、1月以来最大の下げを記録した。米連邦準備制度理事会(FRB)が来月に0.75ポイントの追加利上げに踏み切るとの見方が強まり、米国債利回りは2008年以来の高水準に上昇した。  

  2000年以来の0.5ポイント利上げを先月実施したFRBの取り組みのより具体的な結果の1つは、債券投資が株式と比較して妙味を増している点だ。S&P500種株価指数のバリュエーションを投資適格級債券と比較するFRBモデルとして知られる1つの尺度は、株式にこれまで以上に気掛かりなシグナルを発している。

  ブルームバーグの集計データによれば、S&P500種株価指数の株式益利回りは9日時点で5%弱。投資適格級社債の平均利回り(4.4%)との差は0.54ポイントと、株式の社債に対する妙味は2010年以来最も薄い水準に近づいた。

  アカデミー・セキュリティーズのマクロ戦略責任者、ピーター・チア氏は「不況時には、企業収益が打撃を受け、株価収益率が変わらなくても株価に直接影響を及ぼす。一方で、投資適格企業の大多数は信用格付けの引き下げを回避する余地が十分にある」と指摘。社債利回りはS&P500種の配当利回りに比べて魅力があるとの認識を示した。

 

Valuation Trauma Is Refusing to End for S&P 500 in Free Fall(抜粋)

©2022 Bloomberg L.P.