(ブルームバーグ):

パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長はインフレ後退を示す「明確で納得できる」証拠が得られるまで利上げを続けると示唆しているが、そうした目標への到達はまだ遠いとエコノミストらはみている。ブルームバーグ・ニュースの調査で分かった。

  調査ではエコノミストの過半数が、政策引き締めペースを鈍化させる議長の目安は、変動の大きい食品・エネルギー価格を除く個人消費支出(PCE)コア価格指数の前月比上昇率が数カ月にわたり0.2%以下となることだと回答。連邦準備制度はPCE総合価格指数をインフレ目標の基準としている。コア価格指数の前月比上昇率は4月までの1年間で平均0.4%、今年に入り毎月0.2%を上回っている。

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  10日に発表された5月の米消費者物価指数(CPI)によれば、変動の大きい食品とエネルギーを除くコアCPIは前年同月比6%上昇、前月比0.6%上昇となった。総合CPIは前年同月比8.6%上昇と、40年ぶりの大きな伸びを記録した。

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  大半のエコノミストがPCEコア価格指数の前月比上昇率が鍵を握るとする一方で、回答者の10%はPCE総合価格指数の前月比上昇率が数カ月にわたり0.2%に鈍化する必要があるとみており、4分の1余りはPCE総合価格指数もしくはコア価格指数の前年同月比上昇率が数カ月にわたり低下することが重要だとしている。

  いずれにせよ、どの見方もパウエル議長が示唆した目標への到達が近いとは捉えていないようだ。議長がすでに示唆している6、7両月の0.5ポイント利上げに加え、9月の0.5ポイント利上げも金利先物に織り込まれており、政策金利が年内に3%を上回るとの見方が優勢だ。

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  調査に参加した大半のエコノミストによると、最近の物価高騰に対応して平均2%のインフレ率目標を変更する意向は連邦準備制度にはない。

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