(ブルームバーグ):

世界の株式市場にとって不安定な展開が続く今年、ハイテク株の下落が見出しをにぎわせてきたが、それよりもさらに悪化しているセクターが一つある。

  米ターゲット、独ザランド、米アマゾン・ドット・コムなどの銘柄で構成されるMSCI世界小売株指数は、このままいけば年間ベースで2008年以来のマイナスとなる。年初から今月9日までの下落率は約29%と、MSCI世界情報技術(IT)株指数の下落率24%を上回る。

  ハイテク株と同様にインフレ懸念が小売企業にも打撃を与えており、可処分所得を圧迫するとともに、輸送費から人件費に至るまであらゆるコストを押し上げている。米ウォルマートやターゲットなど大手企業の業績見通しを巡る警告は投資家を動揺させているが、多くのアナリストはこれが最後ではない可能性があるとの見方を示している。

  スガー・ベンチャーズのアラスデア・マッキノン最高投資責任者(CIO)は「インフレスパイラルは始まったばかりだ」と指摘。同氏は米消費者物価指数(CPI)の10日の発表前にコメントした。 「こうした消費者所得への圧迫は、多くの投資家にとって驚きだった」と述べた。

 

  アバクロンビー・アンド・フィッチ、アメリカン・イーグル・アウトフィッターズ、 ギャップなど、複数のアパレル小売企業も慎重な姿勢を示している。第1四半期決算シーズンはアパレル企業にとって最近の記憶では最悪クラスとなったものの、さらなる苦境が待ち受けている可能性がある。

  クオ・バディス・キャピタルの創業者、ジョン・ゾリディス氏は、「インフレ指標が反転し、米金融当局がタカ派色を抑えたアピローチを取るまでは、われわれは痛みの終わりではなく始まりにより近いのではないか」と語った。

ギャップ株が一時13%安、通期利益見通しを大幅下方修正 

If You Thought the Tech Rout Was Bad, Spare a Dime for Retailers(抜粋)

©2022 Bloomberg L.P.