(ブルームバーグ): 債券投資家はアジア新興市場への投資を控えている。世界的なインフレの脅威に対しアジアの耐性が崩れる兆しが出ている。

  英アバディーンはアジア債を「アンダーウエート」に変更し、スウェーデンのスカンジナビスカ・エンスキルダ・バンケン(SEB)は慎重姿勢を強めた。ゴールドマン・サックス・グループは物価上昇圧力の抑制に向けた新たな利上げ局面で、利回り曲線が新興市場で最も平たん化すると予想。自国通貨建てで見ると、アジアのソブリン債はパフォーマンスが最悪の部類に入り、苦境はまだ始まったばかりとの見方もある。

  SEBのアジア戦略責任者、ユージニア・ビクトリノ氏(シンガポール在勤)は「インフレの深刻化でわれわれはアジア債を警戒しつつある」とし、「アジアの国内需要はなお回復基調にあるが、インフレを背景に引き締めに最も消極的だった中銀さえ行動を促されるだろう」と語った。 

  持続的な物価上昇圧力で今年は現地通貨建て債券の投資家にとって厳しい状況だが、アジア債はそうした状況の矢面に立っている。この1カ月の小幅な回復もアジアにはほとんど関係なかった。ブルームバーグ指数によると、アジア太平洋地域のパフォーマンスは中南米とアフリカを下回り、戦争が影を落とす東欧の債券を除いて最も不調で、中央アジアは唯一マイナスを記録した。

©2022 Bloomberg L.P.