(ブルームバーグ): 「値上げ許容度」発言を撤回した日本銀行の黒田東彦総裁は不適任との回答が、共同通信の世論調査で58.5%に上った。内閣支持率も低下しており、参院選を前に物価高が争点に浮上してきた。

  共同通信が13日に公表した世論調査の結果によると、黒田総裁が撤回した「家計の値上げ許容度も高まってきている」との発言を77.3%が「適切だとは思わない」と回答した。黒田総裁は来年4月に任期満了を迎える。

  黒田総裁は同日の国会で発言撤回について「家計が自主的に値上げを受け入れているとの趣旨ではなく、苦渋の選択として受け入れていることは十分認識している」と説明。「真意が適切に伝わるよう、丁寧な情報発信に努めていきたい」と話した。

  4月の消費者物価(生鮮食品を除くコアCPI)の前年比上昇率は、昨年の携帯電話通信料の値下げによる影響が一巡し、2.1%と日銀が物価安定目標とする2%に到達した。日銀は電気代やガソリンなどエネルギー価格の上昇が主因であり、持続的・安定的な2%目標の実現にはならないとの判断を示している。

  共同通信の調査では、食料品などの値上げが生活に与える影響に関し、「非常に」「ある程度」を合わせ「打撃」との回答が計77.3%に達した。

  計71.1%が参院選の投票の際に物価高を考慮すると回答している。岸田文雄首相の対応については「評価する」が28.1%だったのに対し、64.1%が「評価しない」と回答した。

  内閣支持率は、5月の前回調査に比べ4.6ポイント下落し56.9%、不支持率は同5.1ポイント増の26.9%だった。共同通信は11−13日に全国電話世論調査を実施した。

(黒田総裁の国会での発言や物価の動きを追加して更新します)

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