(ブルームバーグ): 世界の株式・為替市場を混乱させた債券利回りの急上昇は「行き過ぎ」で、米金融当局がよりハト派的な政策で投資家を驚かせ、経済のソフトランディング(軟着陸)を実現する可能性は残っている。米銀JPモルガン・チェースのストラテジスト、マルコ・コラノビッチ氏がそう指摘した。

  コラノビッチ氏と同氏のチームは13日の顧客向けリポートで、「債券利回り急上昇と週末の暗号資産(仮想通貨)売りにつながった10日の力強い米消費者物価指数(CPI)が投資家のセンチメントを圧迫し、相場を押し下げている」と分析。その上で、「金利市場のリプライシングは行き過ぎだと考えており、現在の利回り曲線に織り込まれているものよりハト派的な米金融当局の姿勢に驚かされることになるだろう」との見方を示した。

米国株、リスクを十分反映せず−ゴールドマン、モルガンSが指摘

  同氏は14、15両日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.5ポイントの利上げを予想。一方、JPモルガンの米国担当チーフエコノミストのマイケル・フェロリ氏らは、米消費者のインフレ期待の高まりを示すデータを受け、0.75ポイントの利上げを見込んでいる。

  金融誌インスティチューショナル・インベスターの昨年の調査で株式ストラテジストのランキング1位に選ばれたコラノビッチ氏は米株式相場について、年内に徐々に回復する準備ができており、S&P500種株価指数は年末時点で変わらずとなる公算が大きいとの見通しをあらためて示した。

  コラノビッチ氏らは「市場の動きはリセッション(景気後退)リスクを十二分に織り込んでおり、消費者の力強さと新型コロナウイルス禍からの回復および活動再開、中国の刺激策のおかげで短期的なリセッションは最終的に回避される」と予想した。

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