(ブルームバーグ): 株式・債券相場と暗号資産(仮想通貨)が急落しているほか、インフレが制御不能になり、米国の金融引き締めが何カ月も続くと予想されるなど、金融市場は全面的に悪化する様相を示し始めている。パニックも広がっている。

  S&P500種株価指数は3営業日で9%近く下落。業種別で今年値上がり首位のエネルギーを含め、全ての業種が打撃を受けた。債券売りも加速しており、米国債の10年物利回りは2011年以来の高水準、2年物利回りは金融危機以来の高水準を付けている。クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)市場で投資適格級債の保証コストも上昇している。

  事態がさらに悪くなる可能性はあるだろうか。答えはイエスだ。歴史は早まった強気姿勢の例で満ちあふれている。

  ラッファー・テングラー・インベストメンツの最高経営責任者(CEO)兼最高投資責任者(CIO)、ナンシー・テングラー氏は、市場の売りの開始と終了を見極めるのは「常に難しい」とした上で、「何よりもパニック売りに注目することが一般的だ」と指摘。「問題は痛みがあとどれだけ拡大し、あとどれぐらい続くかということだ」と述べた。

 

  S&P500種の株価収益率(PER)は15倍強(2023年予想収益ベース)と、ここ10年間のバリュエーションのレンジ下限に近い。今より状況が良い時期なら、売りの終わりが近いとの確信が強まっていたかもしれない。しかし、現在の市場を支配している感情を踏まえると、これは強気な姿勢の裏付けとするには極めて乏しい根拠だ。

  ストラテジストやチャーティストは、大量の売買高、CBOEボラティリティー指数(VIX)の急上昇、個人投資家の降伏、などの兆候に注目していると指摘している。

  エバコアISIのストラテジスト、ジュリアン・エマニュエル氏は、VIXが40に到達せずに株式相場が回復するのは難しいだろうとの見方を示した。VIXは13日に34を上回った。同氏は同日のブルームバーグテレビジョンで、ここ数営業日の激しい売りを「われわれが想定していなかったのは確かだ」と語った上で、「今週は危険に満ちている」と指摘した。

  米証券取引所の13日の売買高は150億株を超え、年初来の平均を30億株上回った。

 

 

(7段目に加筆し、動画を追加して更新します)

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