(ブルームバーグ):

自民党スタートアップ推進議員連盟の平井卓也会長は、暗号資産の課税制度を来年度に改正すべきだとの考えを示した。スタートアップを5年で10倍に増やすビジョンを政府が示す中、企業が暗号資産を事業として展開・利用する際に不利な扱いを受けないようにする。

  平井氏は、現行では事業年度末に保有する暗号資産を時価で評価し、評価益が計上されると法人税が課されるため、利益が実現した場合のみ課税されるように変更すべきだと主張。「スタートアップフレンドリーな環境を作るために税制や規制は見直さなければいけない」と語った。安倍晋三内閣で情報通信技術・科学技術政策担当相、菅義偉内閣では初代デジタル相を務めた。

  暗号資産の税制改正を手始めに、ストックオプション制度や投資家に対して税優遇措置を講じるエンジェル税制の見直し、外国人起業家の受け入れ促進を目的としたビザプログラムの拡充に取り組むべきだとも語った。支援対象となるスタートアップの定義を盛り込んだ「スタートアップ振興法」を制定し、中小企業政策と区別する必要があるとの見解を示した。

  今年の骨太の方針には5年で10倍増を視野にスタートアップ育成5カ年計画を年末に策定することが明記された。自民党の提言では、スタートアップへの投資額を10兆円に増やすために年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の運用資金の1%程度を国内ベンチャーキャピタル(VC)に振り向ける案や、イスラエルを参考に政府資金1兆円規模を海外VC経由で投資する案などが盛り込まれていた。

  平井氏は、現在の世界の企業価値上位10社のうちアップルやマイクロソフトなど8社がVCから支援を受けたことを念頭に、成長を促す「スピードが全然違う」と指摘。VCに投資している「海外の機関投資家を見ても非常に利回りが高く、GPIFのポートフォリオにそういうものが入っても不思議ではない」と述べ、国民への説明責任を果たせれば投資拡大は可能だとの考えを示した。

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