(ブルームバーグ): 中国・上海市のロックダウン(都市封鎖)解除は、資金繰り難の不動産開発業者を救うには不十分で時期も遅過ぎたかもしれない。同国は新型コロナウイルス対策の制限措置で緩和と再強化の間を行ったり来たりしている。

  ブルームバーグが企業データを基に集計したところでは、昨年初以降にデフォルト(債務不履行)に陥ったか、債務返済圧力に現在さらされている不動産開発業者32社のうち、少なくとも13社が上海を含む長江デルタ地域で売上高の3分の1余りを稼ぐ。製造業の中心地である同地域では、中国の「ゼロコロナ」政策の一環として導入された厳しい封鎖措置の解除が始まったばかり。

  アビバ・インベスターズ・グローバル・サービシズのシニアポートフォリオマネジャー、エイミー・カム氏は「ロックダウン解除は、伝統的にこの地域に投資してきた不動産開発業者を直ちに救済することには必ずしもつながらない。資金調達チャンネルが再開されない限り、多くの民間開発業者の営業キャッシュフローでは債務返済は厳しい状況が続くだろう」と指摘した。

  カム氏によると、長江デルタ地域へのエクスポージャーが比較的高い不動産開発業者は、3月と4月の販売の落ち込みが業界平均よりも大きかったという。上海が停止状態となり、隣接地域の動きが鈍くなる中、融創中国と正栄地産にもデフォルトが波及。一方、緑地控股(グリーンランド・ホールディングス)は先月、社債の返済期間延長を求め、投資家を驚かせた。3社ともコロナ禍を理由に挙げている。

  不動産サービス会社の中原地産によると、上海の新築住宅販売はロックダウン解除後2週目に、面積ベースでほぼゼロから16万2400平方メートルに拡大。それでもなお、販売の健全性を測る上で注目される水準を20%程度下回っている。

 

  ブルームバーグの集計データによると、中国の不動産開発業界全体で、7−9月(第3四半期)に満期を迎える社債はオンショア、オフショア合わせて348億ドル(約4兆7000億円)に上る。不動産開発業者の今年これまでのオフショア債のデフォルト総額は、過去の通年ベースの最高を既に上回っている。

  ブルームバーグ・インテリジェンスのクレジットアナリスト、ダン・ワン氏は「上海のロックダウン解除は緑地や宝龍地産など資金難の不動産開発業者には遅過ぎた。短期的には十分なキャッシュフローをもたらさない可能性がある」との見方を示した。

  両社のコメントはすぐには得られなかったが、緑地は先月、コロナ禍の影響が和らげば、2022年下期中に債務返済能力を回復すると投資家に説明していた。

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